「エリシオン編以来」で「23年ぶりの聖闘士星矢」というダブルスタンダード、そしてロストしたキャンバス

聖闘士星矢アニメが四半世紀ぶりに復活」(テレビ朝日)、「聖闘士星矢が23年ぶり復活」(日刊スポーツ)、「<聖闘士星矢>主人公世代交代で23年ぶりアニメ復活」(まんたんウェブ)、「少年たちの夢よ再び!? 「聖闘士星矢」が約25年ぶりに復活!」(webザテレビジョン
……おいおい、「地上波テレビでは」23年ぶりだろ。ハーデス編やロストキャンバスを無かったことにするなや。
と思いつつ、東映アニメのサイトを見ると、

聖闘士星矢冥王ハーデスエリシオン編」以来の新作となるTVアニメーション「聖闘士星矢Ω」を4月からスタート!
http://www.toei-anim.co.jp/tv/seiya/

こっちは「聖闘士星矢冥王ハーデスエリシオン編」以来とうたっている。こちらをとれば「4年ぶりの新作」じゃないか。
さて、各紙各誌各局の報道のソースは何だろう? 普通に考えたら東映アニメが流したプレスリリースだろう。となると、「こう報じてくれ」と外に頼んだ内容(23年ぶり)と、自前で報じる内容(エリシオン編以来)とで、東映アニメは意図的に変えているということになる。
これをダブルスタンダードとはいうまい(タイトルで言っちゃったけど)。ニュースのスタンダードと、自社サイトのスタンダードは違う、ということだ。ニュースとしては「23年ぶり」のほうが人目を引くし、伝わりやすい。実際、23年前のシリーズしか知らない人が圧倒的に多いだろう。一方、自社サイトでは、継続的に関わってきたことを売りにしたい。故に「エリシオン編以来」とうたったものと思われる。



……と、ここまではいいのだが、不憫なのが「聖闘士星矢 冥王神話 THE LOST CANVAS 」である。アニメ第2章の最終巻は2011年7月20日発売と、エリシオン編よりさらに新しい。
ところがこれは製作がトムス(東京ムービー)で、東映アニメにしてみれば他人の子。だから「◯年ぶり」にカウントする義理もない。
となると、話は報道に戻るのだ。製作会社から流れてきたリリースを右から左でニュースとして報じてしまう、そこにOVAや他社製作タイトルなどの取りこぼしがあることなど気にしない。
確かにこのニュースは厳密さが求められるものでないし、「8カ月ぶりに復活!」では様になるまい。だが、「一事が万事」という。己の報道の内容をろくに吟味しない、という腐敗はどのニュースにでもあるのではないだろうか。



しかしまぁ、デジモンの後番だから「ひょっとして三条陸がメイン!? うひー、ダイ大の人が星矢の脚本とかこりゃ面白そうだ!!」とテンション上げていたら……吉田玲子か……。微妙だ。