エロマンガ的なカラーページの構成

公序良俗に配慮して具体的な話は避けますが、エロマンガでカラーページがある場合、まずその冒頭のカラーでドンとクライマックスを見せて、ストーリーはモノクロページになってから始まる、という手法がよく取られます。

そうする理由は分かるし、今となってはありふれているのですが、誰か初めてやった人がいるはず。一体、誰の何て作品が最初だったんですかね? 近年になってからのことなのか、コミックハウス黄金期なのか、成人指定ができる以前の爛熟期なのか、レモンピープルまで遡るのか、はたまたそれ以前の劇画系エロにルーツがあるのか? エロマンガに詳しくない私には見当も付かないのですが、新手法の発生と確立の過程に興味をひかれます。

ただ、それより気になるのは「そうした手法が何故一般漫画では使われないのか?」という点。

少年漫画誌だと、冒頭に3ページカラーがあっても、1ページ目で導入、見開き2ページで1枚絵のトビラという構成がほとんど。トビラ無しの場合でも、時系列に沿った展開で描かれることがほとんどだと思います。

連載マンガとしての通常の進行に加えてカラー作業になり、しかもカラーは締め切りが早いから、ストーリーとは無関係に事前に描いておける1枚絵にせざるを得ない、くらいの事情なんですかね? 新連載第1回でカラーなんて場合には、カラーページは盛り上がる場面に割り振って、時系列どおりには並んでいない、ということも珍しくはないか。

ただ、PC彩色の技術がほぼ確立され、細かな彩色であっても比較的ローコストで(←多分)分業化が可能になったのだから、漫画家は線画状態まで作画を進め、それをPC彩色専門の人がカラー原稿にする、なんてことも容易なはず(単行本のカラーカバーなどには、彩色の人の名がクレジットされているケースもぼちぼち見かけるようになりました)。大体、漫画家にとって彩色が必須のスキルかといったらそうでもないんだから、分業化を進めたっていいだろう。

カラーページをクライマックスに割り振る、というのはジャンルを問わず真っ当な手法のはずですし、エロマンガ的な構成を一般漫画でももっと見てみたいものです。

(↓続く)