怪奇大作戦#3

ダメだこりゃ。

途中までは、覆面と素顔の逆転が面白いのかな、と思わせる。娘に見せる日常の顔は包帯に包まれたもの、殺人を犯すときには素顔の「白い顔」をさらすが、娘さえ素顔を知らないので何者かわからない、という逆転ね。

覆面の時には可愛い娘に慕われる優しい父親、素顔の時にはその娘に言い寄る男を片端から殺害する狂気の嫉妬男……この男にとって、本当の顔はどちらなんだろう? とかまぁそういう話、かと思いきや。

ところが話が進むと、「白い顔」は素顔でないと判明する。包帯に包まれた顔の上に、さらに「白い顔」の仮面を被っているのだった(笑)。そりゃいくらなんでもあり得ない、というか一見して不自然だ。

そもそも、それが可能であるならありふれた顔の仮面でいいはずで、目撃者に強い印象を残す「白い顔」である必然性が無い。

最後の最後に包帯が解かれて、醜く火傷の跡が残る素顔がさらされたり、エンディングは延々白い仮面(ペルソナ)が映されたりと、顔・仮面と本性とをテーマにしたい感じは伝わってくるんだけど、なんだか話がまとまってない印象だ。