28日、東北新幹線の復旧見込みについて、JR東日本から公式の発表があった。先日の「復旧に１カ月以上」という言葉を「１カ月以内ではどうあっても無理」という意味だと取っていたため、１カ月強で全線復旧という発表には少々驚いた。ともあれ、まずはめでたい。
さて、その慶事を伝える記事である。まず読売新聞。
東北新幹線、４月下旬までに全線で運転再開へ
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110328-OYT1T00734.htm
ＪＲ東日本は２８日、東日本巨大地震の影響で運休している東北新幹線の那須塩原（栃木県）―盛岡間について、３区間に分け、４月下旬までに順次運転を再開する方針を明らかにした。同線の東京―那須塩原間と、盛岡―新青森間は既に開通しており、４月下旬に全線が復旧することになる。山形新幹線は、現在運休している福島―新庄（山形県）間で、３１日に運転を再開する見通し。
同社によると、那須塩原―福島間は４月中旬、福島―一ノ関（岩手県）間は同月下旬までに、一ノ関―盛岡間は同月８日頃に運行を再開する。当面、安全のために速度を落とすことになるという。東北新幹線は、約５３０キロにわたって、架線や高架橋など計約１２００か所が損壊していた。（以下略）
（2011年3月28日19時53分 読売新聞）
続いて時事通信。
一ノ関−盛岡、４月８日再開＝東北新幹線、全線は下旬に−ＪＲ東
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa_date1&k=2011032800757
ＪＲ東日本は２８日、東北新幹線の一ノ関−盛岡の運転を４月８日ごろ再開する予定と発表した。那須塩原−福島は４月中旬となり、同月下旬までに全線が再開する見通しという。（以下略）（2011/03/28-19:12）
産経新聞はyahooニュースから。
東北新幹線、４月下旬までに全線で運転再開へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110328-00000562-san-bus_all
ＪＲ東日本は２８日、４月下旬までに東北新幹線を全線で運転再開すると発表した。那須塩原−盛岡間でストップしている東北新幹線について、４月下旬までに全線で運転を再開する予定と発表した。３段階に分けて、順次運転を再開する計画で、一ノ関−盛岡間を４月８日ごろ再開するのに続き、那須塩原−福島間を４月中旬に、福島−一ノ関間を４月下旬までに運転再開する予定。（以下略）3月28日(月)16時48分配信
いずれの記事も、全線復旧の時期として伝えるのは「４月下旬までに」。おそらく、JR東日本の発表もそうだったのだろう。
ところがここで毎日新聞だ。ていうか【斎藤正利】だ。
東日本大震災：東北新幹線 全線再開は４月下旬ごろに
http://mainichi.jp/photo/news/20110329k0000m040051000c.html
ＪＲ東日本は２８日、東日本大震災で不通になっている新幹線と在来線の運転再開の見込みを発表した。東北新幹線は、一ノ関−盛岡間が来月８日ごろ再開予定。一方、郡山−福島間と仙台−白石蔵王間のトンネルでレールにゆがみが見つかり、那須塩原−福島間は来月中旬、福島−一ノ関間は遅くとも同下旬の再開予定となった。東京−新青森間全線での運転再開は２０〜２５日となる見通し。（以下略）
【斎藤正利】
他紙と同じく、ＪＲ東日本の発表に基づく記事であるにも関わらず、毎日だけは「２０〜２５日となる見通し」としている。3月24日付の記事で「東北新幹線、来月２０日めど全線再開」と報じた手前、なんとしてでも「20日」を入れたかったのだ。
JR東日本の発表がどういう内容だったかは確認できなかったが、仮に「２０〜２５日となる見通し」と言ったのであれば、他紙のいずれかもそれを伝えるはず。新聞系だけでなく、yahooニュースによれば、日本テレビ系もフジテレビ系も「来月（4月）下旬までに」だ。やはり発表は「４月下旬までに」だったとみるのが妥当だろう。
「２０〜２５日となる見通し」があるというなら、それを伝えてもいい。実際、その間に復旧することもあるだろう。
だがこの記事は、JR東日本が発表した内容を伝える記事のはずだ。それをくだらないメンツのために変えてしまって良いものかと思う。
