/「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」第1話

先日アニマックスで放映された折に録画して視聴。延々1時間もかけて、ガンダムが顔を見せたところで終わりという超かったるい構成、そのくせ肝心なところは拙速で説明不足という救い難いアニメだった。

特に、主人公がさっき出会ったばかりのヒロインについて突然「僕はあの人に必要とされたい」とか言い出すあたりは「???」。まるで心情が伝わってこない。

平和な街に戦争が突然降ってきて、友人たちを一瞬で亡くして、だから戦争を止めに単身潜入してきたヒロインの力になりたい、でも拒まれた、だからこそ必要とされたい! ……という段取りはわかる。

わかるんだけど、でも段取りがわかるのであって、心情はサッパリ理解できん。原作小説には何か、内的な心情描写があったんだろうか? まぁこのへんの常人には理解できない言動&行動は、ある意味「富野ガンダムっぽい」と言えなくはない。

「袖付き」がどういう組織なのかも説明不足で、これも肝心のところがわからない。「ラプラスの函」とやらをめぐる、ヒロインがいた側(袖付き)とその敵(連邦軍)との争奪戦だという線さえ押さえていれば、さほどわかりにくい話ではないはず。しかし制作者側が「この線さえ押さえていれば」の線を理解してないフシがあって不安になる。

どうも、既存の宇宙世紀の設定に寄りかかり過ぎている感じだ。キュベレイクインマンサを掛け合わせたMSが出てくるからネオジオンの残党なんだろう、とビジュアルで伝わってくるが、それでいいのか? 

そのくせ変にパターンを破ろうとして、戦端を開くのは連邦軍側の奇襲だったりする……いやあれ、連邦の奇襲なんだよね? 気を抜いて観てたから、例によってジオン側の奇襲だろうと思っているうちに置いてけぼりになってしまった。ていうか冒頭で描かれるMSが「袖付き」側なんだから、後で攻撃を仕掛けるのもそっちだと思うよなぁ。

ただ、基本的なストーリー自体は面白そうで、機会があれば小説のほうは一度読んでみたいとは思った。