秋の新番の感想とか

連休なので録画したままだった新番その他を消化した。
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 原作未読、話題作なので視聴。狭義のシスコンではなく、出来過ぎた妹に対する劣等感と愛情と嗜虐とが複合した感情、シスターコンプレックスをきちんと描く作品になるようなら面白いか。 ・千葉都市モノレールはあんまり絵にならんね。「美鳥の日々」の湘南モノレールはよかったなー。 ・「妹と恋しよっ♪ 初回限定生産版」、よく知らないのだがROMのレーベルのほうに「初回限定生産版」って印刷されてるものなんだろうか? 初回限定ピクチャーレーベルとかか? ・ていうか、未成年の飲酒、喫煙の描写がNGなのと同じ理屈で、中学生が18禁ゲームをプレイしている描写はNGのような気が。 ・なお、テレ玉では一本前にやっている「サムライガール」はアバンタイトルでギブアップ。竹槍だったらしゃれになったのに(←しゃれにならなくなるって)。
 
侵略!イカ娘 あれ? なんだかただイカ娘が可愛いだけのアニメになってる。いや、原作からそういう漫画なんだけど、これほどじゃなかった気がするぞ? そこで原作を広げながら見返してみたら、ああなるほど、栄子たち周囲の人間のリアクションやツッコミがざっくり削られているんだ。んー、言わずもがなのことはいちいち台詞にせずテンポアップを図る、という判断なんだろうけど、栄子が不気味なほど冷静なキャラになってしまっている。イカ娘の「人類侵略の拠点にさせていただくでゲソ!」宣言に「なんて返せばいいんだよ!」と内心の声で答え、触手の破壊力に「たしかに脅威だ!!」と恐怖しているあたりは省略しちゃイカんと思うのだ。ともあれイカ娘が可愛いので当面は視聴継続。
 
神のみぞ知るセカイ 引き続き細かい台詞の話だが、ゲーム世界の女子は「完璧に理論的」だから美しい存在だという、感情でなくロジックによる恋愛の理解とか、「現実なんて所詮、仮そめの世界」という、リアルとゲームとの逆転とか、桂馬のキャラ立ての肝になる台詞をばっさりカットして、ただのゲーオタに仕立てているのが残念でならない。「順序立てて論理的に考えれば」とか「(現実とゲームを一緒にするな。)ゲームに失礼だろ」といった台詞も細々とカットしてるので、尺の都合による省略ではなく、意図的にキャラを変えているのは間違いない。う〜ん、アニメはちょっと底が浅くなりそうだ。原作だって決して深遠じゃないんだけどさ、キャラクターの核に「リアルは不合理だ」という認識を据えているから、後々恋愛要素無しの話もできたわけで、そこを削っていいのかと思う。1クールないし2クールで一応の完結にまでもっていくために、桂馬というキャラクターを構成している要素を削ぎ落としたのだろうか? ともあれ、結構なボリュームのある第1話をよどみなく30分に収めた(収まりきれずにエンディングにまではみ出たけど)手腕は見事だと思う。当面は視聴継続。……それにしても、エルシィの飛行音がラムちゃんっぽいのは一体どういう視聴者を意識しているのか(苦笑)。
 
それでも町は廻っている なんといっても歩鳥の声に吃驚仰天(穏当な表現)。ナチュラルな雰囲気重視のキャスティング、という理解でよろしいのだろうか。まぁ、タッツンのほうが色々な意味で「作られた」キャラで、声も演技もアニメキャラ的だから良い対比になっている…と言える、かな? スタッフを知らない段階で、「間の取り方や台詞の掛け合いがアニメでどうなるのかと期待半分不安半分」とか書いていたら、ああ新房昭之監督。いつものごとく、無駄っぽいものを色々と過剰にぶち込んで間を取るのだった。決して批判するつもりはないけれど、なんつーか新房印のアニメになったなぁと。とはいえ、アニメで追加された台詞やシーンも浮いていないし(ナレーションにちょっとやりすぎ感があったくらい)、モリアーキーが原作以上に美味しいキャラになったし、私が観た秋新番の中では最も出来がよろしいといえるだろう。「けいおん!!」がもたらしたガールズバンドブーム(ブームか?)に便乗しようとするエンディングも見事です。紺先輩の登場が今から楽しみだ。