コインPの非常識な規約


何となく目に留まったコインパーキングの利用規約に、こっそりとんでもないことが書かれていた。

第2条 注意事項
9項 当駐車場に関する苦情はお受けできませんのでご了承ください。

あまりにシンプルな一文は、つまり「当駐車場に関するあらゆる苦情」は受けられないというのだ。対クレーマーの予防策であろうが、いくらなんでも酷過ぎる。

第3条 責任
1項 車輌の破損は、責任の有無を問わず管理者はいっさい保障できませんのでご了承ください。

「責任があっても保障しない」とは、カタギの企業の言うことではない。さらにその下にも…。

3項 駐車場機器のトラブルが発生した場合、係員が到着するまでおまちいただきます。お待ちいただいた時間にたいする保障はいたしません。またこれに伴う一切の損害に対する保障も致しません。

機器のトラブルは通常、そのときの利用者ではなく駐車場側が責任をもつべきものだろう。これまた「管理者に責任がある場合でも保障しない」と宣言しているのだ。

以上、利用規約にご理解いただけない方の利用は固くお断りいたします。

締めの決まり文句ではあるが、上に引用した条項と併せて読むと、ほとんど脅迫文だ。

それにしても不思議な利用規約である。仮に、駐車場管理者に責任がある車両破損について、利用者が保障を求めたとしよう。その場合、「いや、いっさい保障できませんって規約にちゃんと書いてますから。ご理解いただいたうえで利用してもらってますから」と言って要求を断れるだろうか? そんなわけがない。法廷で争えば、どうやったって管理者が負ける話だ。そんなナンセンスな文言を、どうして利用規約に入れているのか。「車輌の破損に関しては、管理者は保障できません」くらいにボカしているならまだわかるのだが。

ちなみに、この会社のホームページには利用者向けの記述が一切無く、ああ不働産屋の片手間仕事なんだなと思い知る。それどころか、

 駐車場内で事故やトラブルが起こったときのことが心配です。
 ご安心ください。場内で起きるすべてのトラブルは( 当社 )がすべて責任を持って処理します。土地オーナー様には一切ご迷惑をおかけいたしません。また、トラブル発生の場合、24時間体制での電話対応はもちろんのこと、万が一の緊急トラブルの際は、早急に現場にかけつけます。

利用者に対してはいっさい責任を持たない一方、土地所有者に対しては「責任を持って処理します」というのだ。いったいどんな手段による「処理」なのかと、想像するに寒気が走る。



あ、それと書かれているまま引用したが、「保障」でなくて「補償」じゃねえの?