- 作者: 中島諭宇樹
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/08/04
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あえて不満をいうなら、SFスピリッツに満ちた設定やムードと、少年マンガ的に正しい(ぶっちゃけていうと前時代的な)倫理観とが、少々噛み合っていない感じがするところでしょうか。アニメ版からのツッコミどころですが、11次元宇宙がなんつーかこう、心の強さがなんだかんだを決定してしまう「それなんてセフィーロ?」な世界になっている(苦笑)。だもんだからクライマックスも、言ってしまえば「破壊の欲望に取り付かれたラスボスを、「人を思いやる心」を武器にした少年たちが倒す」といういささか陳腐な構図になってしまってます。まぁ、そういう少年マンガ的な正しさが核にあることもこの作品の魅力である、と言っておくべきでしょうか。
- 作者: 藍本松
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/08/04
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- 作者: やぎさわ景一
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2010/07/20
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パトカーが痛車で、絵に描かれたその婦人警官(パト子ちゃん)がAIというかそれなりの人格があるパートナーで、主人公のダメ警官とともに事件を解決したり巻き起こしたり…というコメディ。絵がパト子なのではなく、パトカーそれ自体がパト子であり、まぁ要するに『ナイトライダー』のナイト2000=KITT(Knight Industry Two Thousand)です。
パトカーのボディ表面は実はディスプレイとなっていて、パト子は単なる絵ではなくコロコロと豊かに表情を変える……なんてのは普通に考えつく設定ですが、パト子はそのうえなんと変型機能まで備えている。パトカーが何をどうやってか変型し、1分間の時間制限付で人間大の婦人警官に! 相当ムチャな設定ながら、これも上手く話の中に生かされています。1巻で終わってしまうのは少々もったいないくらいに思えました。
ねりわさびの『カーナビちゃんと僕』はこの夏あたり5が出るんかいなー。
- 作者: まりお金田
- 出版社/メーカー: 秋田書店
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仕事がないアイドル三人組が乳を出したり尻を出したりの他愛無いコメディ。絵が綺麗、という以外に取り立てて誉めるところもないのですが、3人のヒロインの配置が少々興味深くて単行本まで買ってしまいました。
公式の単行本紹介などでは一応「超アガリ症&元天才子役&貧乏チビっ娘」の3人で主役ということになってますが、実質上の主役は元天才子役で売れなくなってもプライドだけは高い、というかすみだといっていい。サブキャラとも絡めやすいようで、タカビーな性格をした同じ事務所のライバル的アイドル(ただしこちらはちゃんとした売れっ子)や、ストーカー的に慕ってくる後輩アイドル(こっちも売れっ子)も、とにかくこの娘に絡んで登場します。
かすみに次いで目立っているのがあかりで、この娘は見た目だけなら一線級のアイドルでしかも巨乳、しかし気弱で超アガリ症という性格が全てを台無しにしているという、露骨に男性読者に媚びた造形です。誤解を恐れずにいうならつまり秋山澪ですね。いや、どちらに対しても悪意は抜きで。
はっきり言うと、実はこの二人がいればコメディは成立する。「押しが強くてプライドが高くて成功経験もあるけど胸と人気がない」かすみと「気が弱くてアガリ症で日の目を見ないけど秘めた実力と胸がある」あかりとは好対照、凸凹コンビ(表現が古いです)でいくらでも話を転がせるでしょう。
にもかかわらず、3人目がいるのですよ。 「超アガリ症&天才子役&貧乏チビっ娘」のうちの「貧乏チビっ娘」、すずのが。
このキャラ付けからして少々おかしく、貧乏設定は台詞の端々に出てくる程度で、エピソードを一本作り上げる力がない。貧乏といっても守銭奴的ではなく、アイドル仕事の傍らでしているはずの他のバイトの描写もない(設定はある)。また、アガリ症や無駄なプライドは性格の問題だからいずれ何とかできそうなのに対して、モデル志望で身長150cmというのは致命的な欠点でしょう。克服しようがない欠点だから劇中でもほとんど取り上げられず、故にほかの二人と比べてすずのはどうにもキャラが立ってこない。連載が進むと、「実は一番まともな感覚の持ち主」という立ち位置に収まってくるのですが、それはそれでやっぱり目立たない。
4人組(文革の話ではない)主人公で4人目が目立たない、というのはピンク髪眼鏡とかたくあんとか色々あるわけですが、3人組でひとり極端に影が薄いというのは珍しいのではないでしょうか。
長々と駄文を書き連ねてしまいましたが、結論はつまり「そんなすずのが一番可愛い」ということです。「頼れる姉貴ポジション」でステージに立つファッションショーの回は1巻には収録されていないので、2巻も買わざるを得ないなぁ。