論理少女

そんなこんなで買ってしまった。

論理少女(1) (シリウスKC)

論理少女(1) (シリウスKC)

論理少女(2) (シリウスKC)

論理少女(2) (シリウスKC)

論理少女(3) (シリウスKC)

論理少女(3) (シリウスKC)

「そんなこんなで」「買ってしまった」……?
意味がわからない!! もう少し論理的に話しなさい!!
などと早速お約束。さほど面白くはないけど、とても楽しい作品でした。

面白くはない、というのは、とにかくドラマが希薄なことだ。一話完結あるいは長編としてのストーリーが弱いだけでなく、各状況や場面場面の演出も弱い。「カモにされることを見越してあらかじめ騙しておいた」とか、「かの"論理少女"が見苦しく些末な質問に固執して周囲に冷めた目で見られる」とか、状況自体は悪くないんだから、もうちょっと見せようがあるんじゃないかなーと惜しまれる。

とても楽しい、というのは論理パズル(クイズ)集としての評価。難度は中学生レベルかな。高校生以上ならメモをとらなくとも頭の中で何とか解ける、というくらいの適切な難度です(私は数字に弱いので計算が絡む問題は大半がギブアップだが)。

また、単純にパズルを出題するだけでなく、例えば「おいおい、もうひとつ条件が無いと解は出てこないぞ?」と思っていると登場人物もまたそれを指摘し、あらかじめ示されていた「もうひとつの条件」が明かされる、なんて構成になっている。「あれが伏線かよ!」となどとツッコミながらニヤニヤしてしまう。そういうところに、登場人物への感情移入というか思考のシンクロがあるのが実に楽しいです。

3巻になると、押しの強いヒロインに加えて「内気な準ヒロイン」と「鋭いツッコミ役」がレギュラー化。キャラクター配置のバランスが良好になり、掛け合いの面白さが加味されて、登場人物が全体に生き生きしてきた印象です。終盤のラブコメなシチュにはやはり「なんとか頑張って描いてみました!」なギクシャクした感じがあるけれど、今後はドラマ面にも期待できるかな。