/「宇宙へ行く」は「空を飛ぶ」の上位互換

ウルトラセブン』に登場するスーパーマシン、ウルトラホーク1号は、誰が見紛うことなく飛行機であるにもかかわらず、ハイドロ何やらとかの追加装備も無しに宇宙に行っちゃうわけですよ。で、それはお話の世界だと理解しつつ「飛行機なのにすごいや!」と思う。
その一方、誰が見紛うことなくロケットであるところのウルトラホーク2号が、そのまんまの格好で空中戦をしてるのを見ると、「ロケットなのにフツーに空を飛んでるの?」と何とも不安定な気持ちになる。

ウルトラホーク1号とウルトラホーク2号。食玩「ウルトラ超兵器」シリーズの製品。
なんつーか「スペースシャトルが自力で空を飛べないことを知らない人の多さに驚く私」(2008年12月11日付)の原点は、この飛行機と宇宙ロケットとの峻別あたりからたぐれる気がしてきた。でもって、スペースシャトルは飛行機ではなく、後から現れた「宇宙ロケットの派生種」だから空を飛ぶものとは思わない、と。
一方、ある年齢以下の人はフィクションの体験として「スペースシャトルの形をしたものが自力で空を飛ぶ」姿を見ている。先のエントリではネタ的に触れた「ダグオン」のサンダーシャトルをはじめ、その例は枚挙に暇がない。それが原体験だから、現実のスペースシャトルは空を飛べないと知って驚くのではなかろうか。

先日刊行されたばかりのこのガンダム漫画、基本は「いわゆるリアル」志向なんですが、それでも南氷洋に不時着したコムサイが自力で離陸しちゃたりしています。巻末の設定解説でスペースシャトルとのツーショットを描いたばかりに、そのナンセンス感が増してしまったような…。つーか『機動戦士ガンダム』本編でさえ、コムサイの離陸にはカタパルト式発射台を使ってなかったっけ?