未成年の喫煙禁止の理由

ただし「コドモダマシ」、やはりというか、ツッコミどころも散見されます。Amazonのユーザーズレビューでもいくつか指摘されていますが、私がここで取り上げたいのは「父と子のためのタバコと健康」の回。

「なんでこどもはタバコ吸っちゃダメなの」
「なまいきだから」
 またずいぶんと精神論的な回答ですよ。
「健康に悪いからだって、先生はいってたよ」
「それはあとから理由をこじつけて、科学的なフリをしてるだけだ。だから妙にそらぞらしく聞こえる。本当の理由は、オトナがたしなむべきものをこどもが口にしてるのを見るとムカツクからだ」
「こどもがタバコを吸ったことで重い処罰をされるのは、(略)健康の問題じゃなく、文化の問題なんだ」

ぜんっぜん、全く、違います。目的は本当に「青少年の健康のため」です。
ま、青少年というか国民というか「兵隊」の、ですが。
歴史をたどれば富国強兵の明治時代。タバコ税で富国を図ろうとしたが、一方で子供の時分からタバコを吸ってる奴はどうも兵隊として使いものにならないようだ、だから禁止にしてしまえ、という経緯です。
(真面目な解説はこれとかご参照→http://10kin.com/menu4.html
因果が明確で合理的で、ある意味良法だといえるでしょう。
徴兵制が無い現代でも禁止されている理由は? と問われれば何かしら答をひり出す必要はありますが、それだって「成人時の生産性の低下、引いては国力の低下を防ぐため」だと言えば、「妙にそらぞらしく聞こえ」たりはしないでしょう。国民の健康のための法律も、案外とシビアに合理的なものなのです。対して「文化の問題なんだ」という答はどうにも近視眼的過ぎて、ちょっとマッつぁんらしくないのでは?

ところで、世の徴兵制復活論者を対象に「未成年の喫煙についてどう思いますか?」とアンケートを取ったらどんな結果になりますかね? そこらへん含めて厳しく「健全な育成」を思っているのか、それとも単に今どきの若者が嫌いなだけ(=「隠れて吸う分には仕方ない」の容認派)なのか。回答からわかるのではないかと思います。