バンブーブレード#25

「剣道とそれがもたらすもの」
実になんとも予定調和的にミヤミヤもタマちゃんも勝利、勝利。前回にクライマックスをもってきてしまった反動だろうか、因縁の試合だったにもかかわらず、ほとんど後日談のような話だった。正直、ここにもう一山持ってこなきゃだめだろ、みたいな気分は禁じえない(苦笑)。

特に鈴木凛の扱いは残念だった。「ブレイバー対シナイダー」のライバル関係に重なる形で描写されていたため、タマちゃんがブレイバーの影を振り払ってしまったら、凛はもうライバルでも何でもない。ただの対戦相手になってしまった。

「正義の味方」の真似事を超えて「剣士」となったことの象徴として、「アトミックファイヤーブレード」ではなく「突き」で勝つというのは落としどころとして見事なんだけど(そこには珠姫父の言う「修羅」を振り払ったという意味もある)、それにしても凛はもうちょい何とかして欲しかった。試合直前に顔をあわせたときにブレイバー対シナイダーとは無関係な形で勝敗について語らせるとか、ライバルの地位を確立させる術は何かしらあったと思う。

ところで、前回のヒキではひまわりの花が開いていたのに、今回は冒頭からいきなり秋というキングクリムゾン状態。大会開催スケジュールからすればそんなものだろうが、会話のほうにはひと月以上の時間経過を感じさせるものがほとんど無く、少々奇異に感じられた。ていうか、赤とんぼ、紅葉に染まり始めた山々、ススキといった風景の記号でしか季節の変化(=時間の経過)を描写してないんだよね。他所の感想をみてみると、時間経過に気付いてない人もたくさんいる模様。ううむ、あえて1、2日しか経っていないかのように見せてるのか? いや、だとしたらなおさら、何故そう見せているのか理由がわからない……。

次回はついに最終回。コジローの責任問題には、そのうやむやな扱いに対して色々と思うところがあったのだが、よもや他の全てが解決した後にラストまで引っ張るネタだとは思わなかった。「なんかもうコジローはいなくても問題ないんじゃね、正味な話」は禁句?