薮内佐斗司と「平城遷都1300年祭」マスコット

平城遷都1300年祭:マスコットキャラに市民から批判
(毎日新聞 2008年3月2日 2時30分 (最終更新時間 3月2日 13時42分))
奈良県で2010年に開かれる平城遷都1300年祭のマスコットキャラクターに対し、「かわいくない」など批判的な声が相次ぎ、1日には市民が白紙撤回を求める活動を始めた。国宝・彦根城築城400年祭の「ひこにゃん」(滋賀県彦根市)、のじぎく兵庫国体の「はばタン」(兵庫県)の例など、キャラクターの人気が事業の盛り上がりを大きく左右しており、主催者も対応に苦慮しそうだ。

 1300年祭は世界遺産平城宮跡奈良市)を主会場に季節ごとのイベントを開く計画で、総事業費約100億円。キャラクターは、県などで作る平城遷都1300年記念事業協会(http://www.1300.jp/)の選定委員が、デザインの専門家12人の計21案から選んだ。シカの角を生やした童子のイメージで、東京芸術大大学院教授の彫刻家、籔内佐斗司(さとし)さんの作品。著作権は500万円で買い取った。
(略)

まさか薮内佐斗司の名をこんなニュースで見ることになるとは……うう。

93年の展覧会のチラシをひっぱりだしてみた。一級の芸術作品でありながら非常に「わかりやすい」薮内作品にはこの頃から注目していました。また、名鉄600V線(路面電車)に乗りに行けば岐阜の街中で、呉の大和ミュージアムに行けばその庭で、シン・ザ・シティのトイざラスに行けばエントランスホールで……といったふうに、薮内作品はパブリックな場所でふいと迎えてくれるので、結構な親しみを感じているんですよね。こういう、不名誉な出来事で名が知られるのはちょっと悲しいです。



……とはいえ薮内作品って、ワンオフの立体芸術で、かつ渋い色合いだから良いんだよね。無限に複製されるベタ塗カラーのイラストでは確かにキワモノでしかないわ (苦笑)。