バンブーブレード#19

ハタと膝を打った。なるほど、他ならぬ石橋が「川添珠姫は一度負けたほうがいい」と言っていたのは、自分自身のあの敗戦が背景にあるからか! すげーや、これってきっと原作者ですら気付いていないぞ(笑…単行本にまだ収録されてない部分でやってるかもしれないけど)。
原作では新ライバル榊心(サカキ・ウラ)登場に際して一度思い出されたものの、そのまま(ウラともども)ほったらかしになっている台詞を、実に巧妙に使ってくれました。ここでちゃんと対小西戦の敗戦にも言及するあたりも芸コマですな。タマちゃんは基本、負ける悔しさを知らずに来てるから、「負けたほうがいい」の前のワンクッションとして、イレギュラーな敗戦とそれに対するタマちゃんの反応を描いておくのは意義あることでしょう。アニメにはこの後、ウラに代わるオリジナルキャラが登場するそうで、タマちゃんが負ける展開もあるかも? 純粋な実力勝負で追い詰められて「アトミックファイヤーブレードの封印を解くか否か」で悩むタマちゃんてのも観たいところ。
それはさておき今回の主役は、一度負けたほうがいいタマちゃんではなく、一度も勝ってないミヤミヤ。原作では勝っていた成明高校との稽古がアニメでは反則負けになっていたのはこの遠大な伏線か?(いやまぁ室江高校との合宿とか、直接の描写が無いところでいくつか勝ってそうですけど)
対するは完全アニメオリジナルキャラ第1号、キャリー西川。ううむ、小ネタ以外にはアメリカ生まれである意味が無かったような…。二刀流もインパクトは大きかったしアニメ映えはしたけど、ミヤミヤが東に教えを乞う、という改心のきっかけとするには、普通の相手と普通に戦って普通に負けたほうがよかったような気がする。
「高校の公式戦では二刀流は禁止だったよね?」は、オチとしては弱いのだけど(キャリーがそもそも高校生に見えない件)、「これからは『対高校剣道部』だけでなく、『対道場』の稽古や野試合だってある」という展開への伏線であるなら興味深い。