週刊少年チャンピオン#2+3

恐るべきことに、いま週刊少年漫画誌4誌で最も面白いのが『週刊少年チャンピオン』となってしまった。

ギャンブルフィッシュ
ここまで不可思議なサイコロ操作を見せられても、なお白鷺はトリックであると信じて疑わない、というのは、キャラ立てであると同時に読者に対する「保証」となっていて面白い。
演出としては、読者には「これは本当に魔術なのかもしれない…」という不安を抱かせるほうが今風だし(「ひぐらし」方式ね)、花咲の能力の描写はその演出に釣り合うレベルなのだが、白鷺は打ちのめされているフリさえ見せず、愚直なまでにトリックを暴こうとする。結果、読者も「これはトリックである」との前提で読むことになり、その保証のもとで関心は謎解きへと誘導される。原作者としては、そこに話の核を設けているのだろう。
にもかかわらず、どんなトリックなのやら並の読者には(少なくとも私には)皆目見当がつかないのだから、大したものである。これで種明かしが「そんなの有り得ねえよ!」なツッコミどころいっぱいのものだったら萎えるけど、まずそれはないだろう。
 
侵略!イカ娘
(こいつの手、初めてにぎったけど…
 温もりといい柔らかさといい私たち人間と
 何も変わらないんだな………)
なんだこのラブコメ展開は。しかも女の子同士。
「あの… みんなと別れてどこ行く気でゲソ?」
そうねえ…。人気のない所に行って…それから…
なんだこのエロ漫画展開は。しかも女の子同士。
というわけで、今週もイカ娘は可愛かったです。私たちの心は既に侵略されてます。ていうかイカ娘なら侵略大歓迎。
真面目な感想も書いとこうか。1ページ目で「今週はイカ娘が人ごみの中で迷子になる話か」と思わせて、トビラ絵でいきなりオチが付くとか、なんとなくイイ話で終わるかと思わせて、最後のひとコマでオトすとか、コメディとしてのテンポも良好でした。増刊号掲載分や単行本も今から楽しみ。
 
竜の国のユタ
闘技場で登場したキャラクターや同時期に登場した雷竜党の面々を有効に使いながら、2本に分かれていたストーリーを、戦争という大状況に向かって縒り合わせていく展開が見事です。
 
「ダイモンズ」
エレセロスに抗していたのはゼスモスの特性ではなく、あくまでヘイトの人格だというのが意外だった。つか、ゼスモスはすごいのかマヌケなのか評価に困る。これもこの後どう展開し、どう決着を付けるのか予想できないな。
  
聖闘士星矢THE LOST CANVAS
強いよ教皇&マニゴルド! テンマたちの苦戦・マニゴルドの登場そして圧勝…と展開していたあたりはお約束の範疇だったけれど、調子付いたマニゴルドがタナトスに戦いを挑んだあたりからは予測不能となり、さらに教皇まで参戦した日には、いやもう一体どうなることかと。
今回は策謀でタナトスを圧倒している蟹座師弟だけど、ここで主役不在のまま勝利を飾るとも思えず、一体どう決着が付くのか非常に気がかり。
それにしても蟹座聖闘士、先代マニゴルドに先々代の教皇がここまでの人物とあっては、そりゃデスマスクなんて見捨てちゃうよねぇ蟹座の聖衣、と作品の枠を超えて妙に納得。
 
マイティ・ハート
いかにもテコ入れ然として追加された新キャラ・エリカですが、綾波系に小動物の性質を掛け合わせた不思議ちゃんな人物造形が、舞島とは実に好対照でちょっと今後が楽しみ。いいかげん「マイティ・ハートがひどい目にあう(性的な意味で)→でも最後は爆発→結局貧乏くじを引くのはヴォルケン」のパターンには飽きていたし。つか正直、最初からあんまり…。