「怪獣と美術」展

このところ無駄に忙しくて感想を書いてなかったが、実は先月23日に足利市立美術館で「怪獣と美術 ―成田亨の造形芸術とその後の怪獣美術―」を観覧している。
結論から言えば、「関東在住の特撮ファンなら必見」。これだけのためでも足利まで行く価値はある。つか正直、他にはオタ向けのスポットは無かったり……。足利学校とか鑁阿寺とか、普通の観光スポットが歩いていける範囲にあるので、そこに寄るくらいかなあ。「ガメラ2」の舞台ではあったけど、ロケ地として印象に残る場所もこれといって無いし……。私は路上観察趣味を満喫できたのですが。
閑話休題、上のリンク先の紹介にも「抽象化や複数の要素の合成など前衛芸術の手法の応用」が成田亨の造形理念だと書かれていますが、それが怪獣デザイン画だけでなく、芸術作品からも伝わってくるのがこの展覧会の面白さでした。例えば宇宙怪獣っぽい怪生物の頭像などは、粘土で顔の部分を作りつつ、とがった耳(角?)は金属板を丸めたもので作られている。こう書くと、むちゃくちゃストレートなハイブリッドで「それってすごいの?」と思われそうですが、そこはそれ百聞は一見にしかず。実物を見て確かめてください。なんていうかね、明らかに質感の違うものを使いつつ、ひとつの作品としては融合している見事さとか、まぁ見てもらわんことには話はできないわ。
ふだんは大江山に立つ「鬼のモニュメント」も展示(これは足利市立美術館以外の会場では見られなかったものだとか)。実物(?)大の鬼の立像なんですが、そのポーズや表情、ブロンズの質感などがもたらす存在感はすさまじいばかりで、足元から見上げながらグルグルと周りを2、3周してしまいました。
期間は24日までと残りわずかなので、どうぞお見逃しなきよう。東京方面からは東武鉄道伊勢崎線の特急「りょうもう」号で浅草−足利市、70分ちょいの1940円だ。

【追記】間違いに気付きつつ「まぁ今さら直すほどでもないや」と放っておいたらTBいただいたので、追記の形で修正します。
誤 ×ふだんは大江山に立つ「鬼のモニュメント」
正 ○大江山に立つ「鬼のモニュメント」の原型
考えてみれば当然ですが(笑)。また、

誤 ×ブロンズの質感

展示された原型はFRP製でした。まぁ素材がどうあれ重厚な質感であった、と(いいかげん)。