読んだことを最近思い出した本

連休中に部屋をちょっとだけ片付けていて、発掘した本。もー感想とかあんまり覚えてない(苦笑)。

公民の民俗学

公民の民俗学

それにしても不思議なのは、柳田國男の孫弟子を看板のひとつとし、何かにつけて柳田を取り上げる大塚英志が、なぜか今和次郎には触れないことだ(と断言できるほどに大塚英志の著作を読んでいるわけではないが……)。
『少女民俗学』の冒頭には、指導教官の宮田登から「きみの発想はジャーナリスティックすぎて、学問には向かない」と言われたとある。それを背景のひとつとする「常民」の再定義(大塚英志は、都市的な生活を送る消費者層を<少女>と命名し、現代の常民と位置づけた)を思えば、柳田國男に破門され「考現学」を著した今和次郎に対しては、シンパシーすら感じていてもおかしくないのだが。

ウェブ社会の思想 〈遍在する私〉をどう生きるか (NHKブックス)

ウェブ社会の思想 〈遍在する私〉をどう生きるか (NHKブックス)

「かくあるべし」や「これでよいのだろうか」は控えめに、ネット文化にかかる現状を包括的に捉えて冷静な分析を行っている。著者はこれまでは意識的に避けてきたというサブカルテーマも扱っているが、「ヒミズ」「シガテラ」といった作品選択はまず適切だろう(私は未読だが)。単なる読者への媚びではないし、第一ちゃんと今どきの作品だからな。(←まだアレを引きずっているらしい)
それにしても、今の若年層はあらかじめ「大きな物語」が失われている(故に「小さな真実」と「大きな物語」を錯誤している)というのは、言われれば当たり前なのに今まで気付けなかったなぁ。ポストモダンの思想がすでに無効というレベルを超えて、やはり「社会を分析する道具としての「思想」は概ね不要になっている」のではなかろうか。



いかん、どっちもホントに断片的なことしか覚えていない……読み直すか。