劇場版電王&ゲキレン観てきた

「劇場版仮面ライダー電王 俺、誕生!」「電影版 獣拳戦隊ゲキレンジャー ネイネイ!ホウホウ!香港大決戦」「おまけ モモタロスのなつやすみ」を観てきた。映画館で映画を観るのも久しぶり(「チャーリーとチョコレート工場」以来だからほぼ2年ぶり…)なのに、その久々がこれでいいのかと自分でも思うが、「仮面ライダー電王」TV版本編であれだけネタを振られたら観ずにはおれないよ、まったく。
まだ2日目なので未見の人にも配慮しつつ、微バレあり感想で。
 
【電影版 獣拳戦隊ゲキレンジャー ネイネイ!ホウホウ!香港大決戦】
まず脚本については正直論外レベル。尺が足りないという事情はわかるし、そもそも子供向けだという点を考慮してもなお、である。
「そこは掛け合いの面白さを見せないと」とか「そこはひと言ゲストキャラを立てるべきでしょ」とか「説明ナシでその展開?」とか、そういう不満があちらこちらに……。
荒川稔久って、段取り重視の話は段取り「だけ」になりがちな気がします。敵味方共闘のさいのお約束、「勘違いするなよ」を理央が言ってくれたのは拍手喝采なんですが、それは私の好みってだけだし。

まぁ、難しいことを考えずにアクションを楽しむ分には……とフォローしたいところだけど、香港大決戦なのに香港ロケ無し!?というのがどうしても気になってなぁ(苦笑)。
ええと、「香港の夜景を活かした巨大戦の特撮は見応えがありました」とここでようやくフォロー。なんというか、リアルさ・精密さとは別の次元でのカッコよさや見応えに到達している感じでした。等身大のほうも、生身の俳優・スーツアクターとも派手なアクションを披露しており、その勢いで観客を呑み込んでしまって、とりあえず退屈させない映画でした……と、ありがちな感想で締め。
 
【おまけ モモタロスのなつやすみ】
まさに幕間、ホントにおまけ。だけど、そういうものとしてよく出来てます。電王の面白さはやはりモモタロスをはじめとするキャラクターたちの立ちっぷりに負うところが大きいな、改めて感じられました。個人的に一番ツボに入ったのは最後のデネブの台詞。
 
【劇場版仮面ライダー電王 俺、誕生!】
ちょっと詰め込みすぎな感じがする一方、唐突で説明無しのジークの登場など「TV版観てないとなんだかわかんないのでは?」という部分も目立つが、そもそもTV版観てない人は映画版なんて観やしないからいいのだろう。
脚本は、「ゲキレンの不満がこちらで解消された」という言い方は問題あるけど、実際そんな感じ。
例えば、「激気を吸収されたはずの3人がノーダメージで揃い踏み」という場面と「モモタロスは憑依できない状態の良太郎にジークは憑依できた」という場面。どちらもご都合主義的な展開なんだけど、前者は勢いで押し切るのに対して、後者はほんの一言ながら説明が入るのね。その台詞、実のところまるで説明になってないんだけど、それで格段にキャラが立つ。良太郎と牙王との掛け合いあたりも実に見事だったし、『電王』は(それとも小林靖子は、か)やっぱりそのあたりが巧いです。
で、その牙王。公開前に雑誌等に掲載されたインタビューで渡辺裕之が「お父さん世代の励みになる」とか「ただの悪役ではない悪のヒーロー」とか言っていたので、それなりの事情というか、動機を抱えた人物かと思っていたら、そうでもなくてちょっと肩透かし。
ただこれは見方を変えると、51歳のお父さん世代が「もはや破壊するより他にやり場の無い、今の『時』に対する絶望」を抱えているのに対して、18歳の若造どもはあくまで「時のつながり」を信じてその前に立ちはだかる、という話なので(切ないねえ……)変に説明をしなくて正解だったと思います。
ホロっとさせる人情ものの要素も、それはもう『電王』だからばっちり実装(牙王の家 族ってどんな人だったのかな……とか、全く描かれていない要素へと思いが広がります)。展開自体は予想の範疇だけど、「あ、そうくるか」という不意打ちに泣かされました(もっとも、パンフの監督のコメント読むまで正しくは意味を理解してなかったのですが)。
ウイングフォームの活躍、4フォーム揃い踏み、そしてゼロライナー+デンライナーフル編成vsガオウライナーキバの空翔る対決と、バトルシーンにも見応えがあり、実に盛りだくさんの映画でした(故に詰め込み過ぎで窮屈との印象も受けましたが)。

【総括】
長々と感想を書いてしまいましたが、総括としていうべきは「白鳥百合子より秋山莉奈より平田裕香」の一言でしょう。いや、TV版ほとんど観てないんだけどさ、ゲキレンジャー