カラクリオデット1巻

カラクリオデット 第1巻 (花とゆめCOMICS)

カラクリオデット 第1巻 (花とゆめCOMICS)

私は涙を流さない(オデット!) 
ロボットだからマシンだから(オデット!) 
だけどわかるぜ燃える友情
友といっしょに修理待つ
必殺パワー15歳筋力
悪い奴から身を守る
ボムバスターは動作不良だ
私はカラクリ カラクリオデット

……という話。本当に。全く予備知識無しで、書店で見かけてフラッと購入したらアタリだった。「少女形アンドロイド・オデットがその正体を隠して人間の学校に通う。人間に近づこうとするオデット、だが……」という、基本的には直球のコメディ。しかし、「人間性とは何か?」の意識が常に物語の核におかれており、アンドロイドもののSFドラマとしても読み応えがある。
オデットの人物像は、各回の副主人公との対比によって掘り下げられていく。その副主人公は、他のアンドロイドだったり、時には人間のクラスメイトだったりだ。オデットはもちろん人間ではないのだが、人間以上の人間くささも持っているという人物造形の巧さが面白さのキモといえるだろう(それはもちろん、コメディとしての面白さでもある)。
色々と作りこみの弱さはある(作品世界のテクノロジーレベルとか、テロリストの目的は何だとか)のだけれど、それらは概ね「マンガのお約束」「演出」の範疇で消化できるレベル。ふつうは気にならない(気にしちゃいけない)だろう。