日経新聞のエヴァ記事

4月15日の日本経済新聞夕刊・さぶかるウォッチという連載コラムが「「エヴァ」10周年」を取りあげていた。「謎解き」がブームに火を付け、長期的な人気はキャラ萌え層が支えた、という論旨で「似て非なる二種のマニアを同時並行で満足させる戦略と技。見事と言うしかない」と結ばれる。やや強引に感じられる部分もあるが、短くよくまとまった解説だと思う。
秀逸なのがその記事に添えられたカットで、キャラクターの顔の無い、著作権表示が不要な絵で、しかもいかにも新聞のカットらしい簡素な線で描かれているにもかかわらず、まごうことなき「エヴァの絵」になっているのだ。
背中側から見た、おでこの高さに包帯を巻いた、ショートカットの女の子の上半身。その背中には羽根が生えている。使徒のイメージからするといささか可愛らしい羽根だが、本文のほうでアナザーストーリー商品に言及しているので(「育成計画」とかね)、それを受けての「萌えっぽい」アレンジなのだろう。さらに背景にはでっかい月の端っことビル街のシルエットが描かれていて、よくまあエヴァらしい要素を抽出して、小さなカットに詰め込んだものだと感心する。