ゾイドジェネシス#49「決戦」感想

消息不明のラ・カンに代わり、ルージはディガルド討伐軍改めジーン討伐軍の指揮を執ることになる。ジーンに叛旗を翻したディガルド軍も合流して大軍となった討伐軍は、「自由の丘」でジーンに決戦を挑んだものの、苦戦を強いられる……というお話。ルージのカリスマ性と成長は一年を通じて描かれてきたが、最終回を控えての最後の締めくくり、そして状況整理といった感のある回だった。

【ルージ】
「秘伝の兵法書」などと嘘をついてまで、自分を指揮官と認めさせようとしていたが、それもあくまで士気を下げないためなのがやっぱりルージらしい。一方で演説は「戦いが終わったら村に帰るつもりです」という淡々とした語りかけで、これもルージらしいのだが、士気を高めるには景気よく勇ましいことを言ってくれよと思わなくもない(笑)。まぁあの場では地に足の着いた態度で訴えるほうが、かえって聞く者の心に響くものがあったのだろう。
第1話から引っ張ってきて、未だ解明されない「ルージとムラサメライガーとの関係の謎」は最終回まで持ち越しに。「エヴォルトはルージの意識と深くリンクしているのかもしれない」との台詞があったことから考えて、最終進化形態(?)と併せて、関係の謎にも触れるのだろう。

【ミィ】
「貴方のこと、おじ様だと思って最後まで守り抜くわ」というシーン、普通に作れば名場面になったはずなのに、癖の強い作画のせいで台無しに……。力の入れ方を間違っているとしか言いようがない。エンディングとかはもう治外法権でもいいから、本編はちゃんとやってくれよ頼むから。

ジーン】
グイが登場しない理由が「飛行ゾイドには多くの手がかかるから」というのはなかなか捻ってあるようで、ちょっとマヌケな気が……。「粛清のし過ぎと造反で人手が足りなくなって、主力部隊の運用ができなくなった」なんて悪の親玉は前代未聞ではないだろうか。まぁこれも「たくさんの仲間に支えられているルージ」対「孤独なジーン」という対比にはなっているのだが。

【討伐軍の人々】
ここでレギュラー級のキャラが見せ場のないまま退場したらそれはそれで不満だったとはいえ、今回合流していきなり消滅させられたディガルド軍第16師団はかなり可哀想。霧の河の戦い以来のメンバーは、「ひとりエレファンダー遊撃隊」ことハックにホーの一族、そして復讐を改めて誓うガボールと、ひととおり顔見せがあったが、最終回ではどんな扱いになるのだろうか。