週刊少年ジャンプ#14

魔人探偵脳噛ネウロ
この前巻頭を飾ったばかりなのに次週は早くもセンターカラー。いよいよ次の看板作品へと育ってきたか? ストーリーのほうは、いつもと違った怪盗パターンで行くかと思いきや、いつもどおりの殺人事件になってしまってちょっと残念。とはいえ、過去の殺人事件(?)に触れたうえで現在の殺人事件が発生し、しかもその犯人はサイに殺害されて入れ替わるという実に複雑な様相を見せており、どう収拾をつけるのか目が離せない。
 
ツギハギ漂流作家
それにしても、未だに執筆シーンどころかメモを手にするそぶりすらないのは何としたものか。「探検は探検として、漂流録は安全な場所に着いてから書くのだ」と解釈しようとすると、傘を持ち歩いている理由とか、死亡した漂流作家が怪物の特徴をその場で書き記していたという設定とかが邪魔になる。どうにも物語の基本設定を作者自身が消化できてない感じだ。

作家らしい描写が無い代わりに何があるのか? といわれるとまた答に窮してしまう。重い傘を振り回しているが腕の力を印象付ける描写になってないし、ウナギ鮭は何の説明も無いまま大漁、怪物との遭遇は偶然、血の目潰しも知略などとは言い難い。「ひと目でそれと判別できる、この主人公の特徴」が未だ描かれていないのだ。

いかにもジャンプ的なキャラ立てをあえて避けているのかと様子を見ていたが、今回のバトル描写でただの単なる練り込み不足と確信した。「編集者だから赤ペンを武器にする」という思いつきに酔ってしまって、その先を考えていない。そもそも何故赤ペンなのか説明が無いし(ひとコマの回想シーンででも校正の描写を入れるべき)、技の名前や台詞を校正にちなんだものにするというトータルな印象付けも無い。「赤ペンは的確に弱点を突く」などといった技の特性も描かれず、ただ飛ばしただけ。まぁとにかく何も考えてないのが明白だ。「元漂流作家」という以前に読者に示しておくべきことは山とあるだろうに。
 
DEATH NOTE
久々に「ええっ、コイツらこれでこのまま退場なの!?」の衝撃があったが、大局にはさして影響が無いようなのでやっぱり白け気味。つーかメロはもう殺されるために再登場したようなもので、要は増えすぎたレギュラーキャラの整理なのだろう。
 
べしゃり暮らし
うわっ、SHIZU-JUNのほうは未解決のまま、圭右も言いたいことを言っただけで見せ場も少なく、デジきんのほうが感化されるときたか。考えてみれば、主役のほうの問題解決を先延ばしにするというのは当然なんだけど、ここまでデジきんにスポットを当てると思ってなかったから心地よい意外さがある。世間話のように見せたネタあわせという演出が巧いねえ。
 
太臓もて王サーガ
第1話で言及された「いちごの真中」と、今回初登場の純平千太との関係が気になるところ(気にするな)。100%ヒロイン4人の絵は相当に無理をしている感じで、きっとそれぞれひとコマずつが作者の限界なのだろう。大番狂わせのセンターカラー回は、アンケートの結果のほうはどうだったのだろうか。あれの反応が上々だったから再びモテ絡みの年間行事話をやってみた、とも想像できるが(でも掲載位置は……)。
相変わらずオチが弱い感じ。というかオチ自体はこれとしても、もうちょっとインパクトのある見せ方ができないものだろうか。
 
みえるひと
前回の「遊ぼうぜ!」の引きから野球で必殺技という流れが地味だけどいい感じ。
 
『タカヤ―夜明けの炎刃王―』
岩代「胸がむかつく奴だぜ。唐突に異世界ものにするなど、醜いったらありゃしねえ!」

大「岩代、そいつは逆だぜ……おれはこいつと最下位を争ったからよくわかる……。
こいつは誇りを捨ててまで何がなんでも自分のため生きようとした。
何十週続くか知らねえが……こいつはこいつなりに必死に生きたんだな……。
善悪を抜きにして……こいつのテコ入れにだけは敬意を払うぜ」

とひとしきり誉めたので、このまま日の光を浴びて灰になってほしい。