ゾイドジェネシス#44「離陸」感想

「ミィコトは良いユニットだが私の心は躍らない。何故だかわかるか!? それはミィコトが既に進退窮まっているからだ。
 進化が止まったエンディングを観てても退屈なだけだ。さらば! ジェネシス中興の祖といわれたヒロインたちよ!!」
というわけで、残り2カ月も無いというのにエンディング変更。歌詞とかは悪かないんだが、なんつーかミィコトはもういいよ、が正直なところだ。作画も「沼田顔」になり過ぎててちょっと気になった。

一方の本編の作画。私は、人物の顔が崩れるのは「しょーがねえなあ」と寛大に構えているのだけど、背景美術の手抜きについては人より狭量なのよね。今回のギルドラゴンの操縦室はちょっと許し難い。シートもろくにない何のためのスペースなのか意味不明の広さ、壁面ディスプレイやコンソールのダサダサな表示パターン、パネルラインとしても表示パターンとしても「何がどうなってこういう形なのか」を考えた形跡のない壁面のライニング……。ミロード村とかハラヤードの街とか化石の街とか、初期は背景美術に力の入っていた作品だけに、こういういい加減な仕事は本当に残念だ。

まあ、CG班の仕事であろうギルドラゴンの外観のほうはそれなりに見応えアリ。土煙も意識したか、空気遠近法による霞んでいるような表現のあたりは巨大感充分だった。
ストーリー面では、冒頭の戦闘でリーオの弾の威力を見せて「これなら普通のゾイドでも戦える」と言わせ、リーオの弾の必要性を強調した話運びはまず巧かった。無敵団の再登場&前線への展開はこれを盛り上げるためだったか?(笑) いつの間に準備したのかギンちゃん専用ランスタッグが登場。カラーリングと武器が微妙にバイオケントロっぽいのが芸コマだが、このまま出番が無いような気がする。

ただ、今回の話で主軸のひとつになるはずだったコトナとリンナの確執、アイアンロックに対する思いについては今一歩踏み込み不足か。コトナが子供時代を思い出すシーンとか、「双子だったことが初めて役に立ったわね」とか「私は逃げるんじゃない」とかの台詞は、演出次第ではもう少し印象的にできたんじゃないだろうか。逆に、「確執を抱えたままだが反ディガルドの志は同じ」という要素をもうちょっと強調するとかなあ。なんか一味足りない感じだった。