週刊少年ジャンプ#09

べしゃり暮らし
いろんな意味でドキドキさせられた「圭右、プロ芸人金本を笑わせようとする」編だが、いやさすがはベテラン作家だ、と唸らされた。圭右の非才は非才として全く救いようもないとキッチリ描きつつ「俺が高校の時に」からの台詞で希望をもたせる。この台詞と、おっさん(名前なんていったっけ?)による「解説」のために、金本が単なるイヤな奴ではない、それなりの大人だとわかるようにもなっている。金本の台詞を聞くのが圭右本人ではないというのも巧いな。

魔人探偵脳噛ネウロ
たかだかアリバイ工作のために、なにもあんな凝った仕掛けをつくるこたぁないだろうに……というのは禁句としても、猟奇的連続殺人犯にはあまりにも似つかわしくないのう。とはいえ、隙を突く呼吸法あたりの描写や、犯人の顔面「バラ‥‥」>「シャキィィン」など独特の見所も多くて相変わらず面白い。

HUNTER×HUNTER
で、前回のあのヒキからさらにもう一発、王の迷いを誘う出来事が起こる、と。ホントにまぁ休載中の時間をどれくらい再開の準備にあてたか知らないが、よく練ったものだ。しかもこれがハンター一行の作戦とも絡み合うとは、一体どう展開するんだろ。

こち亀
ちゃんとコンビニ行って状況見とけ、と作者には言いたい。用が無くても取材のために。昨シーズンから既に「静かなブーム」どころではないぞ。

太臓もて王サーガ
会う度に違う女連れてるじいさん、って時事ネタかと思ってドキドキしたよ(苦笑)。つーかイヤな偶然だな。閑話休題、「スピンちゃん」のキャラがさらに二人登場。透瑠はずいぶん雰囲気が変わったが、じいさんのほうは相変わらず。阿久津が「お前らいいコンビだな」言っているが、そりゃまあ本来は別の漫画の、同じ方向性のキャラだから当然だよな。

大泥棒ポルタ 
意外な打ち切り終了。全くもって予想外だった、まさか15週も続くとは。これまで幾多の打ち切り漫画をみてきたが、人物の作画も背景の作画も構図のとり方もコマ割も一話単位のストーリー構成も長編としてのストーリー構成も狙ったギャグも天然のお笑いも主人公の人物造形もサブキャラの人物造形も台詞回しも世界設定も小道具の設定も作家性も商品性もその他諸々なにをどう見ても全く誉めるところが無い漫画はかつてない。
面白いとかつまらないとか、好きとか嫌いとかを評価していいレベルにすら到達していない過度な稚拙さ。他誌へ行け、などと冷たいことはいわないから今後は学業に専念して欲しい。しかしまあ責めを負うべきは描いた人ではなく、こんな将来の成長すら一切望めないド素人に連載を与えた編集部だろう。目次頁のコメント、描いた人だけでなく担当編集者と編集長もまた己の不明と未熟を省みての言葉を述べるべきではないだろうか? 

この漫画を象徴するのが、主人公の名でありタイトルでもある「ポルタ」の由来。最終回に明かされたのが「コードネーム"ポルターガイスト"」、という救い難いセンスには最早失笑すらできない。ポルタだけでは「騒がしい」という意味にしかならない、というトリビアルなツッコミ以前の話。一体誰が「ポルターガイスト」から『かっこいい』とか『すごそうだ』とか『スマートだ』とか『知恵を感じさせる』とかいった、プラスのイメージを受けるというのだろう。