「くるまはいくつ?」

昨日に続いて乗り物の絵本の話を。

くるまはいくつ (こどものとも絵本)

くるまはいくつ (こどものとも絵本)

私が幼いころにもずいぶんと愛読した、というか読み聞かされたこの絵本、なんと今でも版を重ねており、新刊で入手できる。最初に世に出たのは1966年3月、数ヶ月前に購入したのは2004年11月の第47版だ。教育的な幼児絵本のつくりで、見開き左ページに「くるまが 1つあるもの なあんだ? 1りんしゃ」、右ページにその絵というのが基本パターン。2つ=自転車、2つ=オートバイ、3つ=3輪トラック、4つ=自動車、5つ=スペアタイヤを載せた自動車……とつづく。なにせ1966年の本だから、今の時代では親さえも見たことがないであろう3輪トラックやバス車掌(またかよと言うな)まで登場する。
しかし、絵そのものはディテールの簡略化が実に巧みで、色使いも美しく、今見ても全く古さを感じさせないセンスの良いもので、何につけ「デザイン」に興味のある人には必見といえるほどだ。
ちなみにオトナの読者ならば(いないって)「車種を特定する」という楽しみ方が可能。3輪トラックの絵を『モデル・カーズ』01年8月号「追憶のオート三輪」特集と突き合わせると、56年型のマツダ三輪トラックが元だとわかる。