ゾイドジェネシス#9

第9話「温泉の村」
「ええい、ゾイドはいい! 温泉を映せ、温泉を!!」とテレビの前で酸素欠乏症気味だった視聴者は多いのではないでしょうか(笑)。スタッフも心得たもので、「おっ、今回は安定してるな」と思った作画が、入浴シーンが終わったとたんに崩壊するというのは、実に正しい力配分といえましょう(最後の戦闘でまた持ち直しますが)。
閑話休題、ジェネレーターを修理できる人についてはRPG的な「たらいまわしエスト」状態でさらに先に持ち越し。ディガルドも登場せず、ゾイドの修理と模擬戦、そして野良ゾイド戦がメインというインターミッション的な回でしたが、久々に何かと丁寧な仕事を見ることができました。前回に松崎健一を投入して、温泉話はふでやすかずゆきというほうが適材適所だったと思いますが、それはさすがにぜいたくな要望?

世界観
予想以上に直球な「温泉の村」だったサクサ村。お湯ばかりかレッゲルまで豊富に湧出しているようですが、火山脈とジェネレーターを絡めた設定などは特に無し。レッゲルが湧き出しているから野良ゾイドが集まってくるというのは思わず納得。これまで生命体としてのゾイドの描写が皆無に等しかったので、「レッゲルは本能的に求めるものなのか」など細かな点では疑問もありますが。

ゾイド
戦闘シーンのCGは、もう安心して見られるレベルで安定してますな。ルージの回想中のコンテナを満載したムカデ型バラッツが生活臭があってよかった。ゾイドバラッツは意外な人気で、発売早々あらゆる店で売り切れてしまいましたが(私はトンボ2体とサソリ1体のみ確保…)、早く再出荷して欲しいものです。
初登場のバンブリアンはロンの見切りの冴えだけが見どころで、背中の笹薮もタイヤもその横の青龍刀(?)も使用せず。その笹薮とタイヤのせいで全体形は把握しづらいのですが、四肢があるから動いているとちゃんと動物型のシルエットにみえます。ソウルタイガーも初登場、これも動きの速さ以外は顔見せ程度の出番。エレファンダーは第2話でザイリンに一蹴されて以来の登場。耳の形がまた違ってる? ゾイドバトルストーリーでは涙なくして語れない悲運の名機だけにアニメでの待遇改善を希望。

ルージ
硫黄の「臭い」を知らないばかりか、湯気を見て敵襲だと思う粗忽っぷりを発揮。久々に本好きの設定も出てくる一方、ロンに軽くあしらわれたことによってゾイド乗りとしての上達にも意欲が出てきた模様。師匠という話が出てきたときに、ロンにもラ・カンにも思いよらなかったのはちょっと不自然か。何かしらの理由付けが欲しかったところ。
ラスト、「はぁ、助かったあ…………………………………………………んだよなあ?」が、間ぁ空き過ぎ(苦笑)。ここはいつものお約束どおり「うわぁぁぁ!!」で締めて欲しかった。

ミィ
「ふっふふふ、この私を袖にした男、ロン・マンガン!」のシーンはぶっちゃけ浮いてましたが、ガラガがコトナのために敷いた布の上にさっと座るあたりは、クスグリであると同時に育ちの高貴さの暗示にもなっていてうまかった。この世界でも温泉に浸ると「はぁ〜極楽、極楽♪」なのか(笑)。水浴びに対する言及が第1話を思い出せてくれます(アレは魚獲りだけど)。

その他の人々
予想以上に直球な「匠」だったジンゴ(左甚五郎?)、出番少なそう。ロン、風呂に入るときでも眼鏡かけっぱなしとは、正統派の眼鏡っ子だ! ザイリン、出番が無い回なのに「ザイリンバイオゾイド相手に互角に戦えたんだ!」の台詞で相対的なヘタレ度アップ(泣)。