明治の「電車男」

読んだことないし読む気も無いが、売れていることは知っている「電車男」。その概要をきいてまず連想したのが田山花袋の、あの短編だった。電車の中の偶然の出会いという状況はもちろんのこと、主人公の本質的な人物像もどこか通底しているのではないか? まぁ「電車男」を読んでないので(読む気もないので)安易な比較はできないが、私なんぞは花袋のアレの関係性、ああいう結末のほうがよほどロマンチックだと思うのだが……(←どの短編かわかってる人はここでツッコミ入れる)。調べてみると現在は通常の出版ルートでは絶版のようだが、さらに調べてみるとというサイトに行き当たった。

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おぉ、なんて素敵なサイトだ。問題の作品は田山花袋の6番目にあるので、興味のある方はどうぞ。短いからあっという間に読み終わる。

この本の「電車は東京市の交通をどのように一変させたか」の章でもくだんの短編は取り上げられている。近代における「都市と郊外の拡大」という切り口で読んでも面白い作品だろう。