アントシアニンの謎

それにしても不思議なのは、ブルーベリー由来でアントシアニンが有効成分ってことになっている健康食品が未だに大手を振って売られていること。アントシアニンって10年以上も前に(そしてその後も何度も)「視力の改善に効果はありません」ってエビデンスが出てるのに。「作用機序は不明だがなぜか効く」どころでなく「効きません」だぜ? ちょっとググると、わかさの依頼を受けた(わかさ関連の?)研究団体等からは「効く」というエビデンスも出ているようだけど、「効きません」のほうが圧倒的に多い。

不思議、というのは同じ頃に「がん予防効果はありません」というエビデンスが得られたベータカロチン(ベータカロテン)はすぐに人気凋落、大っぴらに喧伝されることは無くなったのね。がん予防には効果が無いというだけで何の効用も無いというわけでもないのに。その一方で、アントシアニンはしぶとく生き延びている。そこが不思議。おそらく、視力という日常生活で常に使用する機能に関わることだから、「よく見えるようになった」という効果感(効果でなく効果感)を得やすいのがポイントだろうと思うけど。