『まんがタイムきららキャラット』3月号

ひだまりスケッチが予定外の休載。他誌からのゲスト1ステラのまほう、初登場ゲスト1、連続ゲスト3、再登場ゲスト1。さらに新連載が2本あって、誌面の新陳代謝が進んでいるという印象。

ただし初登場ゲスト作は率直に言ってマンガの基本的な技術が足りておらず、面白いとかつまらないとかいった評価以前のレベルで、何故あんな前のほうに載っているのかと首を傾げる。ギリギリまで「ひだまりスケッチ」を待ったけどやっぱり間に合わなくて、掲載順を入れ替えられずに本来「ひだまりスケッチ」が入るページにそのまんま入れた?
 
「NEW GAME!」
表紙&巻頭カラー、そして2本立て。このところの2本立て攻勢は誌面づくりというよりも、アニメ化に向けて少しでも早く単行本3巻を出すための戦略…いや、もう出てるか。

1本目。男が一人も出てないマンガでバレンタインデー話というのも奇妙なものだが、ウイスキーボンボンと動物チョコで巧く引っ張っていった(コウ&りんはさておく)。青葉が酒癖の悪さを見せたけど、この娘しらふでもこういうとこあるからインパクト弱いよねw

2本目。そういやオモチャ好きという以外のキャラが弱かったはじめにフィーチャーした回。ていうかモーション班なのになんで企画の仕事を割り振られているんだ? という疑問が無きにしもあらず。…って、3巻読み返したらこの新作からそういうポジションになったのか。製作が本格的に動き出さないとモーション班に出番が無いからそれ以外の業務も、ということかな。
 
ブレンド・S」
前回のヒキでほのめかした新キャラ、男の娘の神崎ひでりが登場。しかしラブコメ的には店長→苺香で鉄板のままのようだし、お店の話としては既存のキャラもまだ使い尽くしてない感じがあって、今このタイミングで新キャラを投入する必要があったのかと思う。ラストの店長に対する挑戦が今後の柱だろうか。
 
キルミーベイベー
リアルポカポンゲーム…とでもいうのかな。いや実際テレビでなんて言われているんだ? とにかくあの、ジャンケンしてピコピコハンマーで殴ってヘルメットで守る奴で対戦するやすなとソーニャ、ただしプロルールで。

今回はバイオレンスが普段の1.5倍増くらいにみえた。もちろんピコピコハンマーでなく木のハンマーを振り回す狂気もアレなんだが、それに加えて、やすなが意外な善戦を見せてソーニャと対等に渡り合っていたからかも。さしの勝負で罠とかに引っ掛かったわけでももなくダブルKOにまで持ち込んだのだから、やすなも強くなったもんだ。
 
「まちカドまぞく」
期末試験の勝負。シャミ子が桃に勝負をふっかけるのは初期からのパターンだけど、そのモチベーションが「桃に認められるため」になっている変化に物語の積み重ねを感じる。その一方、リリスは本来のモチベである家族ネタでシャミ子を攻めるのね。そういう二人のズレと、それでも最後にはリリスはシャミ子の生き方を認める(?)という展開も良い。

でも今回はなんといってもこのコマですよ。

シャミ子のふくれっ面にごせん像のドヤ顔、そして素直に感心してる桃の表情! いや、桃の表情というか「桃をこういう表情にしてやりたい」とイメージしている、こう言われたいと思っているシャミ子が可愛すぎる。

かつてリリスがイメージした、桃より優位に立っている状態とそれに対するシャミ子の反応(「シャミ子様血液10ガロンお待たせしましたー!!」「桃はどうコケてもそんなこと言わないと思いますっ!」・1巻p96)と今回のこれを対照すると、また色々感慨深い。
 
「すわっぷ⇔すわっぷ」
うつぶせでも胃を圧迫しない巨乳のほうがむしろ快適ではないか(そこか)
 
「疾風ういんどみる!」
今回から連載開始。ヨット操縦のノウハウを折り込むとともに、それを勘違いする主人公のボケで話を引っ張っていて、基本に忠実という感じ。
 
「平成生まれ3」
ていうかこの娘ら受験生だったの!? と、まずそこに驚いた。そして最後は煽り文句にもあるとおり、佐藤にいいとこありげなのがちょっと驚いた。あの佐藤がまさか四村を気づかうとは…。ひょっとして終了へのプロローグか!?

割と重要な話なのに(それとも重要な話だからこそか)外人と不良に全く出番が無かったのが気の毒。もっと気の毒なのはそこで思い出せなかった森口だけど。
 
「カスタムメイド!」
ネタの「あるある」感(って私はよく知らんけど)が、コミケをよく知ってる作者ならではという感じ。ただ、今回でユウ様がコミケ…いやマンケに行く話をやって、マサキが同人活動を続ける理由も明らかにして、長編の柱になる要素がもう残ってないような…。ユウ様がクラスメイトにオタばれor自らカミングアウトくらい?
 
「ゆーま!」
前号に続いての掲載なのにアオリが「連続ゲスト」でなく「再登場ゲスト」。ってことは「初登場ゲスト」でなくこちらが「ひだまり」の代原? 事情はどうあれ3号連続掲載で、このまま連載になったりしないかな。

前回は出番の無かった類人猿UMAの再登場で、第一話のノリに戻って面白かった。つーかもう、このUMAのキャラだけでも作品を引っ張っていけそうな。背丈から察するに、類人猿UMAと高橋さんは実は別人(別アニマル?)という二段オチもありそうだが、連載にならない限りそれは読めないよな。
 
「ばーどすとらいく!」
2巻完結ほぼ確定なのが少々寂しいがストーリーは綺麗に着地してくれるだろう。地球人とダジョン星人との共存という話なら、クロとファンたちとのつながりという関係性にもスポットを当てて欲しいところだが、それは次号以降なのかも。

次号の展開は、総統にダジョン星人移住計画を聞かされたあいさ先生だが「君たちがこの地球の風俗習慣になじみ、地球の法律を守るのならそれも不可能なことではない」とか「火星に住んだらどうだ」とか決裂フラグを立ててしまう…なんて話にはならず、武断派がクーデターを敢行・総統派と地球人が力を合わせてそれに対処・だが武断派と総統派の間でクロは板挟みに…てな感じだろうか。