『檸檬』の時代の丸善

ドリヤス工場新刊「有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。」購入。

感想はさておき(買って損は無いよとは書いておく)、ひとつ気になったのが梶井基次郎檸檬』の舞台となった丸善。近代建築に描かれている。

ところが実際には、『檸檬』の時代の丸善はこんな姿だったのだ。
https://pbs.twimg.com/media/CMLzZ1hWwAAoYQd.jpg
https://twitter.com/junkudo_net/status/631334523393998848
ショーウィンドウこそ近代的だが屋根は瓦葺、おそらくは平屋。じつに何とも日本的な商家建築である。

ただ、これが単なるドリヤス工場の取材不足だとは思えない。だって、漫画の姿のほうが余程「それらしい」じゃないか。

大体、何の資料も無しにああした近代建築の外観が描けるとは思えないのだ。『檸檬』を漫画に描くに当たって下調べをしたのはまず間違いない。そしてその段階で、上記のURL(リンク先)の写真までたどりつけなかったとは、少々考えにくい。

つまり、間違いだと知っていて、実際の当時の丸善の姿を知っていて、あえて近代建築として描いた……と取れるのだが、さて実際どうなんだろう?