銚子〜犬吠埼

2015年夏の18きっぷは残り2回。今日は予て企てていた犬吠埼行。天気は悪いし、一眼は持ってないし、ちょっと職場に寄った都合で手提げのビジネスバッグを持っていたりと状況はよろしくないが、これで十分楽しめないなら来週また行けばいいと考える。

銚子電鉄の切符、銚子駅の改札を出ずにそのままホームを進むべきところ、そういう販売形式をすっかり忘れていて、一度改札の外に出てしまった。まぁいい、ついでに…とトイレに寄ったら次の電車の発車まで1時間近くある。だったら銚子の町を散策しよう、とヤマサ醤油の煉瓦蔵を見に行く。


そこから銚子港にむかったところ、思いがけず重厚な近代建築に行き当たる。



銚子市公正市民館。

大正14年4月17日、銚子町の浜口儀兵衛氏が私財を投じて、社会教育事業を目的とする「財団法人公正会」を設立。
・その拠点となった公正会館は、大正15年(1926)4月12日に開館。同年、夜間中学の公正学院開設。
・昭和23年3月1日、公正会館の全施設を銚子市に寄附。
・昭和24年(1949)に公正会館は社会教育法に基づく「公民館」となり同年9月22日「銚子市公正市民館」と名称変更。公正とは、私事を捨て大衆を基とし、最も公平に正しく運営して行くために、公正の名称を用いた。かつ、「公正」の名をとどめたのは浜口儀兵衛氏の意を永く記念するためです。

そんなこんなで一時間はあっという間に過ぎた。

銚子電鉄、車両は湘南顔非貫通でカラーリングは復古調。かつての「メルヘン」仕様から、「徹子の旅」の頃の観光地的にぎやか塗装を経て、またずいぶんと鉄道趣味的になったものである。仲の町の車庫に留まっていた車両も、銀座線色だったり丸の内線色だったり。


反対側の顔を見れば、いかにも京王のパノラミックウインドウ。京王→伊予鉄道を経て銚子電鉄に来た車両とのこと。

切符は1日券を購入、620円。犬吠往復(310円×2)と同じ値段でいろいろオマケ付。だけど車掌は、いかにも観光客然とした客に犬吠までの切符を求められると、言われるままそれを差し出す。どうせなら1日券を案内すればいいのにと思うが、まあやるべきことが多すぎて目の前のことをこなすので手一杯なのだろう。

仲ノ町駅からローカルヒーロー2人が乗り込んできた。そして銚子商業高校の女の子2人。アイスとメロンパンの車内販売だ。こういう仕事もヒーローの任務なのか。

とりあえず、ぬれ煎餅アイスを購入、200円。クラッシュビスケット入りアイスの、ビスケットを濡れ煎に変えたものを想像していただきたい。まずくは無いが、マァもう一度食べたいと思うほどでは…。ただ、売り切れだった抹茶味のほうなら合うかも? 抹茶と煎餅という好ましい取り合わせがアイスクリームの中で融合するカオス……いや調和か?

犬吠駅で降りて電車を見送る2人。


犬吠埼は二度目だが、以前は見なかったはずの灯台に登ったり、灯台の向こう側の海岸までみたり。


今日はきわめて風が強く、そのため波が高くて見応えはあったが、まるでギャグマンガのように波をもろにかぶってしまった。それはそれで楽しい経験だが、通りすがりの見知らぬ人に「大丈夫ですか」と声を掛けられたのは少々気恥ずかしい。

しかし崩壊した遊歩道などは見下ろすだけでもちょっとばかり恐怖。

灯台は入場の際に200円を"寄付"。灯台のてっぺんまで登ったが当然のごとく吹きさらし。風があまりにも強くて生命の危機を感じるレベルだった…というのはオーバーだが、メガネが飛ばされないように押さえていないと心配なほどの強風。ビニール傘に手提げのビジネスバッグという煩わしい荷物に手を取られていたことも問題であった。

何かしら「犬吠埼」という表示と海とを絡めて撮る、というのが今回の第一のミッションで、それは何とかこなすことができた。

終点・外川には取りあえず行っただけで、そのまま折り返して帰る。