「ラッシュ/プライドと友情」

観てきた。1日なので1000円で。
http://rush.gaga.ne.jp/
MOVIXさいたまでは先行なのね。まぁ「モータースポーツに興味があるなら観にいってもいいんじゃないの?」程度の評価(ちなみに私はF1はあんまり興味無し&よく知らないです)。お金と手間はちゃんとかけてあるし役者はいいし大筋も悪かないんだけどね。

76年のF1を中心にレースシーンの再現度は高く、主役マシンのフェラーリマクラーレンはもちろん、字幕での表記が「ティレル」でなく「タイレル」の6輪やJPSロータスなどもチラチラと映ります。中島悟車も隅っこのほうに映っているとか。単純な葉巻形から脱し、しかし変てこな空力付加物は無く、横車を押すレギュレーションもなく、この時代のF1マシンは美しいなとしみじみ思います。クライマックスの舞台は富士スピードウェイでの日本GPで、もちろん事実に基づいてのことなんですが、日本人としてはちょっと得した気分。セーフティらしき塗装の初代セリカなんかもばっちり映ります。

ただ、運命の76年シーズン開幕まで1時間以上もかかるのよ。そこらへんがかなりかったるい。ドイツGPからラストまでは文句無しに引き付けられるんだけどね〜。たぶんこれ、テレビで2時間枠で放映される際に前半はあれこれバッサリカットされて、それでちょうどいい感じになると思う。

それと、なんというかすごく居心地が悪い。シーンごとに時間の進行スピードがまちまちで呼吸を合わせられないのだ。もちろん、シーンとシーンとのつながりの時間経過もまちまちだから妙に疲れる。基本的に劇映画志向なのに進行だけはドキュメンタリー調で、作り手がそのズレに気付いていない感じだった。また、最初と最後にニキ・ラウダの長めのナレーションを配しているけれど、それじゃあ映画全体の語りの人称というか視点がニキ・ラウダに置かれているかというと全くそんなことはなく。そこらへんの根本的な方向性を予め整理できなかったのかと甚だ疑問。

あとなー。切れ目なくズンドンズンドン響きわたり続けるBGMは今はスタンダードな技法なんですかね? 「ダークナイトライジング」もあんな感じだった。うるさいんだけどあれ。