最近見たTV番組

「探検ドリランド -1000年の真宝-」#26
ゴード編完結。ヒルデがあっさり消滅して最後になぜか復活してたり、この前仲間になったばかりのぺフーがいきなり超重要な役目を果たしたり、ハルカは結局何のためにいたキャラなんだかわかんなかったりとバタバタと強引に話を畳んだ感じだった。
特に、敵ボスのゴードの属性が「光」で、それを闇で穢すことによって倒すという倒錯はちょっと目を引いたのに、Bパートだとそれが「混沌」になり、本能のまま破壊するだけの存在になってしまった安直さは残念。ドクターの正体とか目的とか、スタッフは実は最後まで考えてなかっただろ?
まぁ作画には気合が入っていて難しいことを考えずに見る分には面白かった。新シリーズで赤ん坊キャラ追加というのがいかにも東映アニメーションというかおジャ魔女プリキュアかという感じだが、さてどうなることやら。
 
「ビーストサーガ」#38(最終回)
いかにも打ち切り然とした最終回。監督が「国内でのOAは終了」とツイートしているので、海外向けにはこの先もTVシリーズとして作られ、日本ではパッケージソフトとして販売、ということらしい。それならそれでソアラ聖国の神官団絡みの話は後回しにしておけば、中途で打ち切りという印象は薄まったと思うんだが……。復活したきり忘れられてるゴールダーが惨め過ぎる。
ただ、この後のソアラ聖国編の有無に関わらず、面白いシリーズ構成だったなと思う。ふつうならキラーシャークを倒したところで「やったーデスハート団壊滅だー! これで地上に平和が訪れるぞー!」で幕を引き、あとはエピローグとしてざっと流すところなのに「決着がついてからが本番」というべき展開に。被災地の復興、その現場でリーダーシップをとる王……なんて描写に時間を割くあたりは3.11後だからだろうか。グロリア軍の再編成や陸海空三勢力の講話会議などまで丹念に描かれており、「サーガ」の名に恥じぬ方向性の作品となったと評価できる。ラストエピソードの前後編は、シリーズ全体の締めとしてはやはり小ぢんまりとした話ではあるが、オーガの成長をきちんと描き、チタンバートンという端役にまで「結末」をつけようというスタッフの意思には好感を覚える。
続編はマァ買ってまで(orレンタルしてまで)見はしないと思うが、「プリキュア」の裏にこんな良作があったことは記憶にとどめておきたい(私はプリキュアも見てるけどね)。
 
宇宙戦艦ヤマト2199#26(最終回)
「アイツ(古代)が一番どん底」ってことはねえだろ……。そこらへん言われてる時点では雪にはまだ生存の可能性があったんだから、前回の白兵戦で戦死したクルーやそれと仲が良かったクルーよりはずいぶんマシだろう。ていうかそこらへんの人たちのフォローあるいはケアが無いのが気になった。その雪の死にしても、前回に話が戻るがそもそも「古代君が死んじゃう!」で死にかけたわけでないから、ドラマ上の意味がどうにも軽い。

そしてやっぱりわかったようなわかんないような設定のコスモリバースシステム。あれ? ひょっとして古代守の記憶があればそれを「星のエレメント」にしてコスモリバースシステムは作れたんじゃないの? つまり、実はヤマトはやっぱりイスカンダルまで行く必要は無かったんじゃ……。逆にいうと、守がいなかったらどうするつもりだったんだという。勘繰ると、「古代守はガミラスの捕虜となったが移送中の事故でイスカンダルに不時着した」という証言自体が全くのウソで、全ては適当な地球人の記憶を入手するためにスターシャが仕組んだことだったんじゃなかろうか。

などと色々気になるところはあるものの、沖田艦長の名台詞「地球か。何もかも皆懐かしい」に新たな意味を与え、艦長がヤマトとひとつになるという結末に持っていったのだから、その点においてコスモリバースシステムの設定は「アリ」だと評価したい。ていうかこの結末から逆算して設定作っただろ?(苦笑)

そして、ヤマトが帰還したことで赤い地球が青くなるラストには、いやーもう理屈抜きの「やり遂げた」感があって、「あー細かいことはもういいやー」という気になってしまう。

2クール26話を振り返ると、古代のキャラが立ってないとかデスラー情け無さ過ぎとか森雪とユリーシャは結局他人の空似ってそりゃねえだろとか、その他もろもろ設定の整合がやっぱり端々でグズグズだったりとか、不満は山ほどあるのですが、それでも半年間きっちり楽しませてもらったのだから、総合的には楽しい作品だったと評価したいところ。

評価が甘くなるのは、「ヤマト」というタイトルは続編だの復活だのリメイクだのが色々あってだいたい沈んで、その間に権利をめぐってのケンカがあったりで相当な難物と化していて、期待値も底を打っていたところにこれだったから、という背景もある。いや実際、スタッフはよくも「ヤマト」をものにしたと思います。……マァその基準で評価できるのはこの「2199」まで。「2199」を踏まえた先にある新作映画にはほとんど期待していないのですが。