最近見たTV番組

「ロボカー ポリー」
発進プロセスを毎回きちんと描写していることは評価に値するけれど、庭の掃除をしている最中に「みんな、今すぐ出動よ!」と言われて、全員いったん建物の中に戻っていつもの発進プロセス……というのはさすがにどうかと思った。

変形については、いつもの「カシャッ ウィーン ウィーン スチャッ てやっ!」のメカニカルな変形プロセスに加えて、カーモードで走ってロボットに変形してジャンピングキャッチ! というスピード感のあるパターンもあって目を引いた。なんで「ジャイロゼッター」はどちらもできないんだろう?(もう見限りました)
「なんとかしてそのパワーを全部使うしか方法はないわね…」
「このままロータリーを回らせ続ければいいんじゃないか?」解決。
 
ドキドキ!プリキュア
霊峰の立ち入り禁止地域……とは全く無関係な場所で発見される王女様。深いクレバスの底なんだからどう解釈しても山頂と関連付けられないぞ。

まぁ王女があそこに来てから1年も経ってないんだから無関係なのがむしろ当然なのですが……あれ? となるとそもそも霊峰とか山頂とかの設定って要らなかったんでは? 

名前の呼びわけの件。クレバスに向かってダイヤモンドが「マナー!」、ロゼッタが「マナちゃーん」と呼びかけたところでソードが「わたしのせいでキュアハートが…」と言うのが面白かった。マナとの距離というか、こちら側の人間でないと見せる意図ですかね。片やマナはというと、レジーナとの会話の中でも「まこぴー」と呼んでいる微妙なすれ違い感(苦笑)。その後はソード含めた全員が「マナ」でしたが、変身解いてたからね。

休戦を呼びかけるベールのふてぶてしさが、久しぶりに大物然としていて良かった。ジコチュートリオはレジーナがいないほうが仕事が出来るんじゃないか?

一方、トランプ王国の騎士殿は、役立たずを超えて足手まといと化してしまいました。封印とか何かの後遺症とか「力を制限されている」系の設定があれば便利に説明に使えたのになぁ。
 
宇宙戦艦ヤマト2199
地球外文明の宇宙船が艦隊組んで事前通告もなく太陽系に侵入してきたら、そらぁ無警告で撃つって。手続きを言えば、まず警告を発して、威嚇をして、それで退去しないようなら攻撃って感じだろうけど、そもそも言葉が通じる相手だと思うほうがおかしい。

……というツッコミどころをスタッフも承知しているからこそまず最初にドンと「DNA配列まで同じ」という設定を明らかにし、さらには対話の中で「メンタリティが変わらない」ことをみせて、ギャップが無いことに対する違和感を緩和しようとしたのだろう。

その意図はわかるが、正直そこがまたズレてる感じがする。SFとしてどうかというのは一旦棚上げしても、「全く異なる者同士が、その差異を乗り越えたり互いに妥協したりして、わかり合ったり敬して遠ざけ合ったりする」というのがジャンルを問わずドラマの基本だろうに、それをいきなり設定レベルで飛び越えちゃうかぁ……という。「マクロス」のゼントラーディが、見た目もメンタリティも地球人とは異なるところから始まって、話が進むにつれて相互理解を増し(ゼントラーディが一方的に地球に毒されただけの気もするが)、後々になって「ともにプロトカルチャーに作られたものである」と設定レベルでの同一性に行き着いたのと対照的だ。

それに、たとえ「生物学的に同一種である」「言語コミュニケーションが可能である」「メンタリティも似通っている」という点は譲ったとしても、ガミラスは最初から「降伏か死か」で殺る気まんまんなのだから、その先遣艦隊が攻撃されたといってテロンを非難できる立場でないだろう。芹沢らは不自然なほど無能で好戦的に描写されていたけど、実は既にガミラスから降伏勧告を受けており、その不躾で傲慢な態度への返事として攻撃させたのかも?

ともかくも、DNAの一致というのは半ばお約束の設定ではありますが、劇中で明言した以上は何かしらその理由もいずれ明かされるはずで、どんな形でどんな理由を見せてくれるのかに一応は期待します。ていうかガミラス人と地球人との違いが肌の色だけとなると、ガミラスフォーミングって何だったの?という気が……。冥王星や浮遊大陸のそれはほぼテラフォーミングで、地球に対する敵性植物攻撃は単なる攻撃であってガミラスフォーミングとは無関係? だったら浮遊大陸の時点で下っ端のクルーでもガミラス人がどんな生物か大方予想できたんじゃないの?

大規模艦隊戦もあれば戦闘機同士の一騎打ちもありと、宇宙ドンパチアニメとしてはまず見応えがあってマル。真面目な話、こういう回を台詞の応酬だけに終わらせず、きちんとエンタテイメントとして成立させているのはエライと思います。



次回以降だと話の展開上触れる余地がないかもしれないので、蛇足ながら追加しておこう。他人の感想見てみると、「地球の側が先に攻撃した、開戦したのは地球だ」という話をそのまんま素直に受け止めてる人が多くてちょっと衝撃だったので。

まずSFとして。太陽系の外から、天体ではない何物かが接近してきたとして、それが一見して宇宙怪獣だったなら、地球側はいちいち交渉を試みたり警告を発したりするか? という話に尽きるんだよね。たまたま宇宙船っぽい見てくれだった、というだけで、それは文明の産物かどうかすらわからないでしょ。それ自体が生命かもしれないし、文明の産物だったとしても自動で(あるいは慣性で)太陽系にまで飛んできた無人機かもしれない。そこらへん飛び越して「知的生命体が乗り組んでいる宇宙船」だと確定していたとしても、それでコミュニケーションできるかといえばそうでない可能性のほうが高い。だったら事態が面倒くさくなる前に排除しておけ、というのは割とまともな選択だ。

そういうメンドクサイのを全て放り出して、「肌の色は違うが同じ人間」(←上手いことを言ったつもりか)が相手だとハナからわかっていたとする。となれば戦争ものとしての話になるけど、武装した艦を領海(がどこまでかはともかく)に侵入させておいて、侵入した側からの交渉の試みも無しに、「はい、先に撃ったから悪いのはお前らね」はスジが通らない。島たち地球人がそれをどう受け止めるかはさておいても、少なくともガミラスには地球人を非難する権利はない。

「テロン人は宣戦布告も無しに攻撃を仕掛けてきた」って話が出てきたときは、例えば「無人の天体を射爆場代わりにして新兵器を撃ち込んだらそこはガミラスの領土でした」とか、「拾った異星文明の宇宙船を修理して使えるようにしたら、接近してきたガミラス艦に有無を言わさず発砲しました」とか、「総司令のおてんばお嬢様が勝手に飛び出して、お付きの者が地球人に撃たれちゃいました」とか、それくらいの設定はあるかと思っていたので、今回明かされた「衝撃の真実」の説得力の無さには、どうにも納得がいかないのでした。