週刊少年チャンピオン#28

「雨天決行」
重本ハジメの新連載。前作「鬼さんコチラ」は良かったがこれは微妙な感じ。話の段取りはしっかりしているのにご都合主義の印象が禁じえない。クラスメート、施設のお姉さん、ホームレスと順繰りに全く間をおかずにキャラクターが現れ、主人公はいきなりいじめられる、いきなり拗ねて怒られる、いきなり身の上話を始める、てな具合にいきなり尽くしで展開するためだ。そのうえ、主人公とホームレスとの交流を偶然にもクラスメートが見ていたり、その直後のタイミングにお姉さんが駆けつけたりと、とにかく「間が無い」展開。ここらへんでもう疲れてしまって、盛り上がっているはずの中盤以降も流し読みしかできなかった。
「スピーディな展開」が必ずしも「テンポの良い展開」ではない、と改めて思い知った。
 
バイオハザード マルハワデザイア」
当人はとうの昔に怪物化していて、しかもそれを倒しちゃった後で、「その行き着いた先がこれかよ…!」とか言われてもなぁ。それも、生前のナナンを知らないリッキーのモノローグだから軽い軽い。
 
「真・餓狼伝
14話のラストのアオリ文句は「血肉を削りし死闘、ついに…決着!!」なのに決着がつかず、15話のラストは「死闘の幕引きへ――!!」なのに幕引きにはならず、今回は「決着……のはずが!?」と疑問符付きになったのが可笑しかった。いやまぁ、次回へのヒキがそれぞれ違うからなんですけどね。
死闘は死闘なんだけど、なんかもうやり過ぎありがち過ぎ。「肋骨も2 3本イッちまったな…」は今やお約束の域を越えてギャグ台詞だよな。
 
「777 スリーセブン」
「#4 よにんめ」……にはならなかった。
プロテクター男、改め謎のマスク男は微妙にギャグ担当なのか。
 
「3LDKの花子さん」
初回の感想に「2、3週目で投入されるであろう準レギュラー級のキャラが以後のカギになりそう」と書いたが、こっくりさんはビジュアル、キャラ立ちともまずは合格。ただ、結局は花子さんと同じで「すごい能力があるけど使えない子」なので話のバリエーションは膨らみにくいかも。
 
「囚人リク」
いきなり打ち明けたか。そしてシリアスに怒る天野。情に訴えかけるような説得以外の方法で解決するようなら面白いのだが。
 
ANGEL VOICE
成田はきっと「見たかったな」と書いてあっても機微に気付かなかったと思う。
そして歌いこんでいる水内。
 
「バーサスアース」
んー、予想どおり「人間の姿の敵を出して、台詞で意志だの目的だのを言わさないと話が作れないのか」な展開に。身内同士の会話なのに、なんでわざわざ「人間でいうところの」数値を使ったり、スマホの画面を説明に使ったり、勝利か断罪かという観念の差を指摘したりするの?
 
いきいきごんぼZ」
そして「バーサスアース」と奇跡のコラボ。以前の深柱っぽい野グソの話のときも「バーサスアース」の直後だったような……。ワザとやっているのか?
今回8ページしかなかったが、今後はどうするんだろう。
 
名探偵マーニー
フクイタクミツイッターにイラストを投稿していたのが意外。自分のマンガには百合展開とかほとんど描いてない気がするけど、こういうのも好きだったのね(先週の読み切りをベタ誉めしていたのは「ああ、やっぱり」だったけど)。
 
「泳げ!ひなのちゃん」
あまりにも唐突な企画ページは「ページ数計算間違っちゃった穴埋めか?」と思ったが、奇起こし(左ページ始まり)が原則だからそんなことはないか。
 
あまねあたためる
そして奇起こし故の奇跡のコラボ。「あれは…」「何?」「何だこりゃあっ!?」
……ところで3Waves、既に看板級の「リク」と、最近じわじわと話題が広がっている「マーニー」はいいとして、そこに「あまね」が並ぶのは正直意外。私にとって面白いかどうかでなく、一般のウケとか話題性とかの評価としてそこまでのタイトルなんだろうか?