「おトクなきっぷ」は絶滅危惧種

数週間前、せっかくの連休だしちょっと遠出でもしてみるか、と思ってJR東日本の「おトクなきっぷ」のページを開いた。
……なんだこりゃ。まるで選択の余地がないよ?
http://www.jreast.co.jp/tickets/index.aspx
普通に検索するとあまりにもヒットが少ないので、まずは出発地が埼玉県のものをすべて表示させる。
この段階でヒット件数はわずか21件。そこからまず回数券を除外、利用資格の無い「フルムーン夫婦グリーンパス」は除外、平日出発限定の「JR・東武 日光・鬼怒川往復きっぷ」も除外。単なる往復割引の「N’EX往復きっぷ」も除外、水戸岡鋭治が絡んでいるブツには近寄りたくないので「河口湖・山中湖セレクトフリー乗車券」も除外。
 
結果、遠出に使えるといえるのは「南伊豆フリー乗車券」「南房総フリー乗車券」「北陸フリー乗車券」「みなみ北海道フリーきっぷ」「北海道全線フリーきっぷ」「週末パス」の6種のみ。あとは関東のごく中途半端なエリアのみ乗り放題の「休日おでかけパス」があるだけだ。

……何なんだこりゃ。まず、ここまで種類を減らしていることにガックリとくるが、そのうえ残しているものが理解不能。北海道に出かけるとなったら私だって飛行機を使うぞ。なのにどうして「往復+フリー」型の切符が、北海道については2種も用意してるんだ? 北海道全線フリーって言われたってそんなの使い尽くせるほど暇な人なんていねーよ。みなみ北海道に対してきた北海道を用意するとかでいいんじゃねえの?

「休日おでかけパス」も、その前身「ホリデーパス」に比べてほんの少しエリアを拡大したことと、新幹線の利用も可能なことがウリにしているが、小山〜東京間とかいちいち新幹線にのらねえし、どの道新幹線料金は別にかかるんだし、そもそも運賃計算のルールなどからすれば新幹線には乗れて当然だろ。当然のことをセールスポイントにするな。

オーダーメイド型オンリーになって細々と継続している周遊券も、肝心の周遊エリアがこれまた選択の余地の無いほど減らされてしまい、全く使いようがない。

利用が少ない切符、利益率が低い切符を廃止するのは仕方がないと諦めるが、あまりに頓珍漢なものが残ったり、値上げしたいがために価値にならない付加価値を加えたりするセンスは何とかしてほしい。