週刊少年チャンピオン#25

先週はテレビ感想強化週間にしたため時期がズレましたが、「チャンピオン」の感想など。
バチバチBURST」
バーストというタイトルはやはりどうかと思う。っていうか編集者まで「やっぱり呼び名は「バチバチ」で」と言ってるし。

しかし本編は仕切り直しの新展開でも相変わらず面白い。新キャラは、「そういや「はじめの一歩」にゲロ道っていたような気がする」と思い出した(←思い出してない)ダメ男。鯉太郎がその体格を羨むが、何故羨まれているのか理解できないという出会いの場面づくりが巧い。

虎城部屋は、猛虎以外はたるみきっているという描写があったから、田上が回想する「地獄の毎日」の描写にはちょっと違和感があるな。猛虎と王虎が牽引役になって、とりあえず幕下以下は空気が変わったというかんじなんだろか。

空が灰色だから
書き忘れていたが前回のラスト、管見の限りでは皆そろって作者のミスリードに引っ掛かってるような……。「皆そろって」ならば、それは作者の力量不足だけど。

「最後はマジョリティに(普通の側に)所属できたから安心」というのは実は何の解決でも救いでもない。本来あるべき救済は「マイノリティであっても(普通でなくても)認められる」で、それを外しながらあたかもハッピーエンドのように装っている。このあたりが作者の意地の悪さというか挑発というか……マァ少々ひねり過ぎかもしれない。

んでもって今回は、「選択」云々という思考の中身をさておくと「1対1の関係ならば、「普通」とは認められないまま、それでも受け入れてもらえる」というお話だった。これが前回とは実に好対照。前回を是とするなら今回は「そういえば俺も選択したんだな」と共感してハッピーエンドになるところですが、あくまで「不思議な空気に惹かれて」だからね。

このモノローグが無かったら、前回についても「作者は本気でハッピーエンドのつもりか? 案外ヌルいもんだな」と思っていたところ。ひょっとして、回ごとに内容の振幅(ばらつき)があるようで、底流はきちんとコントロールされている?

てんむす
「どうして次峰に…」と腐り続けず、どうしてなのかをちゃんと考え、そしておミソ扱いされていることに気付いて奮起、という展開は知性派の二子のキャラに合っていて◯。まぁ、競技に集中できないほどアガっているのに、よくもそこまで冷静に戦略を分析できるものだと思うけど。

対戦相手のほうは、練り物のトラウマ話はこれ以上掘り下げないのか? サブキャラ・ゲストキャラをあまり引っ張り過ぎても興ざめだが、ここまで執拗に過去を描いてきて、何のオチもないというのは落ち着かない。

ハンザスカイ
次回最終回。もう一試合…と思うところが無いわけではないけど、語るべきことは語り尽くした感じ。

「ケンカに明け暮れていた不良が、一人の少女&スポーツと出会って更正する話」は山ほどあれど、それを最後まで物語の核にし続けたマンガは案外珍しい。「ANGEL VOICE」だと、不良だった頃の因縁が浮かび上がることはあっても、「サッカーに取り組むことによって変わることができた自分たち」を顧みるのはごくたまにだよね(それが悪いという意味でなく)。対してこのマンガは、団体戦であることをクローズアップしたり、不良時代に因縁のあった相手と試合で対戦したりで、半座の過去(の克服)を巧くストーリーに組み込んでいました。

憧れの娘を、マネジャーとかキャプテンの妹とかでなく、強い空手選手と位置付けたのも巧妙。中盤、おそろしく影が薄くなった時期もありましたが、最後を締めるのはやはり正ヒロイン! どちらが勝つにせよ、かつて「だってアンタ弱いもん」と言い放った藤木が、現在の半座の強さを認めて大団円となるのでしょう。

琉神マブヤー
打ち切り最終回。漫画家の力量とか作風の問題ではなく、そもそも企画の誤り。地元でない人、その土地に住んだことさえない人にご当地ヒーローを描かせてどうすんだ。何がどうあっても沖縄出身or在住の漫画家を起用するべきだった。せめて脚本をTV版スタッフが書くべくだったろう。