/機動戦士ガンダムAGE#24

「復讐という亡霊に取り付かれて悲劇的な人生を歩め」
って言ってたじゃないの、グルーデックおじいちゃん。忘れちゃいました? でもスタッフは忘れちゃダメでしょ。フリット編の数少ない誉めどころがこれで台無しだよ。

まぁ「「悲劇的な人生」と「復讐を果たしてそこから解放されること」とがワンセットで、己と同じ道を歩んだアラベルに親近感を覚えた」ということなら、グルーデックの心情も理解できなくはないけれど。でも、「復讐は果たさない限りそこから解放されない」がテーゼならば、フリットもこの先ろくなことにならない気が……。

それにしてもグルーデックの扱いは先週のツッコミのななめ下を行ってくれました。なんで獄中で情報収集できるんだとか、暗殺するなら釈放直後にしろよとか、なんでメモリーをブツとして持ち歩いているんだとかバックアップは取ってないのかとかそもそもいつデジタルデータ化したのかとかそれをどこに保存していたのかとか。

だいたい、UEの正体は火星移民の末裔だと明かされてから数えてももう25年。そんな長い間、決着を付けられないままズルズルと戦争状態を引きずっていたら、ヴェイガンを勝ち馬とみて協力する奴なんていくらでもいるでしょ。命懸けで提供したり隠匿したりする情報かそれ?

フリット編の時点ならば、「UEが何者か知っていて、かつ協力している者が地球にいる」という設定でも謎として引っ張れたのに。……って、謎の武器商人ヤーク・ドレがいたか。前回から存在を匂わせている「地球にいるヴェイガン協力者」って、展開でいったらヤーク・ドレのときと同じだから今さら感が強い。アラベルを唆したのは(もしくはアラベルを秘かに引き取ってコロニーで育てていたのは)、かつてヤーク・ドレと取引していた相手だった、という設定だったらちょっと整合性はあるけど、まぁ期待してはいけないだろう。

他方、アセムのダメっぷりが底値知らずの大暴落で、良くも悪くも先の予想がつかなくなってきたのはちょっと面白い。ロマリーは「2人の間で板挟み」なのではなく、完全にゼハートLOVEなのね。

響子さんかこずえちゃんか。
まどかかひかるか。
なるかしのぶちゃんか。
天満か八雲か。
ロマリーかアリーサか。
「ラブコメは「俺なら迷わずこっちの娘を選ぶのに!」とサブヒロインを魅力的に描けた時点で成功」が私の持論なので、「俺ならロマリーなんかじゃなく、迷わずアリーサを選ぶぜ!」と大多数の視聴者が思っている(独自調査)時点で、アセム編は大成功ではないでしょうか。いやまぁそこで「でもロマリーも捨て難いよね」という視聴者がいない(独自調査)時点で失敗という気もしますが。

戦闘シーンに見応えがあったのも、今回の美点でしょう。細かいところで操縦桿の変型なんかも「いつの間に仕込んだんだ」と思いつつもちょっと琴線に触れた。

ただ、「ビームライフルが効かない→格闘仕様のタイタス」「速さに追いつけない→高速仕様のスパロー」という流れがあったAGE-1に対して、ダブルバレットはただ強いだけにしか見えないのがツライ。これではノーマルに戻すメリットが無いのでは?