/転校生と仲良くなったら敵だった

機動戦士ガンダムAGE』の、ゼハートの描写不足について「尺が足りない」とか「もう2、3話あれば」という感想が聞かれるけれど、『輪廻のラグランジェ』は「転校生は皆の人気者になるけどなんか敵っぽいよ」で1話、「やっぱり敵だったよ、ていうか自分でバラしたよ、でも呑気で楽しい学生生活を謳歌するつもりだよ、でも上司に捨てられちゃったよ」で1話、「主人公たちが取りなすけど落ち込んだままだよ、そこを主人公サイドの悪者に付け入られて出撃したよ、でもやっぱり上司の盾になっちゃうよ、ついでに主人公相手に正論ぶって友情が崩壊したよどかーん」で1話、とまぁ3話でこれだけ描いてるんだよね。戦闘の無い回もあるけど、そのぶんの時間は水泳大会とか、濃ゆい敵キャラの描写とかに使ってる。

先日引き合いに出した(2月12日付)『機動戦士Ζガンダム』の香港編だって、カミーユとフォウが出会い、恋仲になり、なお敵対し、別離するまで4話だ。3話もあればアセムとゼハートの関係を描くには充分だったはず。

現状では優れた作品とはいえない「ラグりん」だけど(アニメによる地域おこしの最新の例としても、自動車用語「ガンダム」の到達点としても注目しているんだけどね……鴨川には魅力を感じないし、ロボはそもそも出番が少ないし……あ、さんが焼きバーガーは一度食べに行きます)、それでもこれくらいはやっている。『ラグりん』と『AGE』どちらも拙速感はあるけど、前者は詰め込み過ぎなのに対して、後者はただ話をスッ飛ばしているだけ。そこに決定的な違いがある。『AGE』はもう、やるべきこと・盛り込むべき要素を放棄してしまっていて、掛けるべき言葉もない。