/機動戦士ガンダムAGE#9

過去回の疑問点にパッチを当てた回?

Q・第3話でのゼダスとの戦闘がAGEシステムに反映されてませんよ?
A・ゼダスと再戦するまで対策を温存してただけですよ。だから今回、接敵した途端にAGEシステムは動き出したんですよ。

Q・第3話でゼダスが突然引き返したのはご都合主義ですよね?
A・あれも今回同様、魔少年の気まぐれだったんです。

Q・第6話では「私腹を肥やすために無益な戦争を起こした武器商人」、7話以降は「頑迷で狂信的なザラム派の首領」。ドン・ポヤージってどっちなの?
A・後者に決まってるじゃないですか。全4隻の宇宙戦艦だって全てドンが用意したわけでなく、ザラム派2隻、エウバ派2隻ですし。

Q・だったら第6話のグルーデックとの交渉はなに?
A・あのときグルーデックは4隻求めたけど、ドンに用意できたのは2隻だけで、その埋め合わせをエウバに求めた、ということです。よーし辻褄があった! だいたい「私腹を肥やすために無益な戦争を〜」ってのもグルーデックが言ってただけ。事実とは異なる、あの偽艦長の思い込みだったんです。おっ、こっちも解決だ。

Q・第6話で言及された「銀の杯条約」によれば、兵器としてのMSは禁制品。なのに、民間のMS鍛冶が作っちゃってますよ?
A・もちろん違法です。今回ちゃんとフリットがツッコミ入れたでしょ。

Q・といったって、民間製のカスタム機が軍用機を遙かに上回る高性能で、UEを倒せるほどだというのは行き過ぎでは?
A・民間製といったら、ガンダムやAGEビルダーを作ったのも民間のMS鍛冶のアスノ家ですよ。今回、再確認したとおりです。

Q・でもあれ、AGEデバイスに蓄積されていた情報のおかげだし……。製作したのは軍の工場だし……。
A・いやぁ、おやっさんは凄腕ですねー。

Q・UEって、現に接触している相手からして正体不明でしたよね? フリットはいつの間にモビルスーツと確信してたんですか?
A・逆に言うと、おやっさんはUEは宇宙怪獣か何かだと思っていて、持ち込まれたゼダスのこともMSだと信じたんですよ。
フリット? あんだけ戦ってればさすがにMSだと分かるんじゃないですか?
あ、そうだ。あれですよ、前回の戦闘。あのときUEは撃破された機体をほったらかしてたでしょ。あの残骸から解析した、と。ほらまたひとつ辻褄があった。

……とまぁ「スタッフは絶対ここまで考えてなかったよな」という部分まで含めて好意的に解釈してみました。

このほか、6話でさりげなく登場した妻帯者というか奥さんが、ここにきてエミリーをそそのかす、もとい背中を押す働きをするなんてあたりも、「AGE」には珍しく小味の利いた構成。総じて、及第点の回だったと評価します。

ディーヴァの乗組員がひょいひょいとグルーデックに着いていってしまうのは、これが並のアニメなら「お前ら軍人としてどうなのよ?」と言うべきところなんですけどね。一人だけとはいえグルーデックに向かってきっぱり「つまりは個人的な復讐」云々と噛みつく人がいたので、まぁいいかと。

宇宙服無しで宇宙遊泳は、やっぱりクェスが元ネタなんでしょうか。巷の反応をみると「宇宙服無しで宇宙に出ても即死はしない」という知識がまだ広く共有されていないのが意外でした(即死はしない、というだけで全く平気だとは思えないんですが、まぁ試した人はいませんしね)。

ていうか、そもそもなぜ宇宙服を着てなかったのか?(苦笑) 冒頭の宇宙船がドックに着くシーンでまず厳重なエアロックを描写し、「だからここにいる間は宇宙服無しで平気なんだよ」とさりげに見せておく、という段取りが欲しかったところです。