ゴセイvsゴーカイジャー

ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」を観に行ったはずだが、やっていたのはいつもの戦隊VSものだった。
あらすじはもう「ネタバレ」と断る気にならないほどで、2戦隊が対立 〉何組かにわかれて戦闘、互いの力を認めあう 〉合流 〉2戦隊が協力して敵を倒す といういつもどおりのパターン。だからこそ手堅くまとまっているとも言えるけどね。
ストーリー的には歴代戦隊はオマケ程度だった。ただ、画面のにぎやかさはさすがに圧倒的で、お祭り映画の役割は十分に果たせたんじゃないかな。エンディングは、フルコーラスとはまた違った形の34戦隊ぶっつづけバージョン、そして映像は各戦隊の名乗りシーン! これだけでも観る価値はあるでしょう。

敵の大ボス、黒十字王の声が神谷明なのがビックリ。もっとも、ちょっとガラの悪い毛利小五郎みたいな芝居で違和感は無かった。そもそも若かりし日から「プリンプリン物語」で「私はルチ将軍、知能指数は1300」とかやってたしね。その配下として登場したのが、ブラジラ(飛田展男)に何故かドウコクでなく冥府神ダゴン大塚明夫)そしてヨゴシマクリタイン(梁田清之)と、声優陣もなかなか豪華。なんでドウコクが出てこないのかは謎。設定とか気にするような作品でないと思うんだが……。そのくせパッと見が似ているダゴンが代わりを務めているのも謎だ。
冒頭では「戦隊ヒーローとともに戦った仲間だけどカウントするには微妙な面子」が登場。シグナルマン(大塚芳忠)、デカマスター稲田徹)も一言ふた言しゃべります。ほかにズバーンとかマジマザーとか。しかし、TV本編ではシンケンジャーの大いなる力をゴーカイジャーに譲った姫様シンケンレッドが混じっているのはどうなんだ。あと、リオ&メレはいいのかこの中に入ってて。こいつらも力を使い果たすんですが、レンジャーキーとなったかどうかは不明。アカレッドはチラっと出てくるだけで台詞無し、つまり古谷徹に出番無し。

(以下、微バレ)
本編に入ると、まぁ例によって例のごとく現行戦隊と前作戦隊とのいざこざです。ゴーカイジャーが戦ってる最中に、横から割り込んで自分たちのキーをさらっていくゴセイジャーがちょっとセコい。一方、その後の場面ではゴーカイレッドことマーベラスがゴセイナイトのキーを弄びながら「こいつをエサにしてあいつらをおびきよせる」とか、悪者みたいな台詞を吐いてます。対してゴセイジャーは、おびき出させるまでもなくゴーカイガレオンを奇襲。しかもその攻撃にゴーカイジャーが気を取られている間に、キーを盗みに船内に侵入する、というコソ泥まがいの行動に。
こいつらホントにヒーローなのか!?
「ヒーロー番組は教育番組」がポリシーの宮内洋(ビッグ1役でこの映画にも登場)に感想を聞きたいものだ。
それはそれとして、今はあんぱん屋を生業にしている宇宙刑事ギャバン…でなくデンジブルー、相変わらず中華料理屋のリュウレンジャー、ミニパトでパトロール中のデカピンク(いずれも変身できないので名前を書くべきなんですがパス)が素顔で登場。しかしここらへん、ほとんど本筋と絡みません。終盤の台詞とかが何こう露骨に「お父さん世代に向けたメッセージ」的なアレで、その内容がまた空疎なもんだから正直白ける。他にボウケンレッド、ゴーオンイエロー、シンケングリーン、シンケンゴールドも素顔で登場しますが、こっちはもっと話に絡まない。
んで、色々あって、終盤にさしかかるあたりで青ばっかりゾロゾロ、黄ばっかりゾロゾロ、緑ばっかりゾロゾロ…というバトルがあるんだけど、見せ場のはずのそこらへんは何だか退屈で、ちょっと寝てしまった。話が動かないと、ひたすらアクション続きでも間延びを感じてしまう。
クライマックスはCMでもやっている「2大飛行メカと33ロボット」によるバトル。街の人々を守るためと言ってるけど、どう考えたってお前らも街を踏み荒らしてるだろ(←それは言わない約束)。次々と必殺技を放っていくのですが、過去のフィルムからの焼き直しも多く、そこだけ画面が荒くて少々違和感がある。それとこの場面、あまりにもスピーディで、どのロボットが何をやってるのか意識が追いつかない(苦笑)。かろうじて、RVロボエンジンオーが同時に激走斬りとゴーオングランプリを放ったのはわかった。ともあれ、「もしもジョイント合体シリーズがまともに遊べる玩具だったら全点一気にそろえたかもな」と思える程度には盛り上がるクライマックスでした。