ゴセイジャー最終回というか総括

天装戦隊ゴセイジャー」という作品、出来不出来でいったらぶっちゃけ不出来だったんですが、「脚本の手際が悪いのではない、登場人物がマヌケなのだ」と割り切ればかなりの快作でしょう。

私の評価が変わったのはマトリンティス編。ロースペックのメタルA(メタルアリス)とロボゴーグ閣下のドツキ漫才は最高過ぎた。

いやもう、ロースぺちゃんマジロースペック。命令どおりにやればいいものを、気を利かせたつもりで余計なことをして大失敗、「このロースペックめ!」と閣下に折檻される…というルーチンギャグがおかしくておかしくて。

批判的な立場で感想を言えば、「メタルAは高性能だと十分に描写した上で『マシン故の硬直した考え方しかできないために、自由で柔軟なゴセイジャーに負けてしまう』という対比を見せるべきところなのに、あのマヌケっぷりはまさにロースペックで不憫とも思わない」といったとこなんですが、いいんです、ロースぺちゃんはマジロースペックなんです。

そしてブレドラン。膜インと筋グゴンに返り討ちにされたときには正直「何しに出てたんだこの人…」くらいにしか思わなかったのですが、やはりマトリンティス編での再登場で評価が急上昇。最終的にはラスボスの地位に上り詰めたものの、以前にも触れたとおり「ロボゴーグが改造しなければチュパカプラの武レドランは復活もできずにあそこで終わってたはず」。そこに何のフォローも無いまま黒幕の大物気取りで「全ては計画通りだった」と偉ぶってるのがマヌケで愉快でたまらない。

ホントはきっとあれだ。マトリンティスのみならずウォースターに拾われたのもただの強運で、野望も計画もない行き当たりばったり。きっと後から「実は」を考えたに違いない。今回も「なぜお前はそんなに地球を破壊したいんだ!?」と詰め寄られても高笑いでごまかして、「私は救星主だ」と何の根拠もない答えを返すだけ。となるとそもそも護星界を裏切ったのも何かきっとつまんない理由なんでしょう。あまりに底が浅過ぎて、一周して素敵なラスボスとなりました。

というわけで、多少の不満はあるものの、終わってみれば大変面白い番組だったと評価したいです『救星主ブラジラ』(それタイトル違う)。