仮面ライダーW第33話「Yの悲劇/きのうを探す女」

不破夕子…、暗之云には他人とは思えない名だ。当然ながら偽名で、正体は霧彦の妹。うーむ、「W」のダメなところがまた露呈しちゃったなぁ。今回のやりとりからすれば、翔太郎及びそれを通じて警察は、ドーパント犯罪の温床あるいは「敵の根源」なるものは園崎家だと既に知っていないと不自然。しかし何故かそんなことはなく、今まで特に探りを入れてる様子はない。トリケラトプスの回なんて、裏切り者の刑事はあっさり園崎長女に直接接触したというのに、照井たちは一体何をやってんだ…。

逆にミュージアムの側も、来人が私立探偵・左翔太郎のパートナーだとわかっているのに、奪回のために事務所を襲撃したりはしない。つか、マリオネットの回でクレイドールが事務所を襲撃してるのに、そのときは来人の存在は全く無視。ウェザーは来人の重要性を知らなくて当然なんだが、そこはちゃんと教えてやれよ園崎長女。ナイトメアの回では来人を殺す気満々だったぞ。

個々の回は相変わらず面白いんだけど、一年で一本の長編としては、どうにもシリーズ構成が甘過ぎる。

うん、今日も面白いんだよ。導入部、キリヤマ隊長の「明日を探してきます」という謎めいた美女の「昨日を探してください」という人を喰った依頼は強力なツカミになっている。「昨日と同じことを繰り返させることによって、ヒーローを要人暗殺の駒に使う」という展開には、「ジョジョ」のスタンドバトル的な面白味があり、何でもアリなドーパントの設定を巧く生かしている、と言っていいだろう。翔太郎と照井の漫才もなかなか可笑しかった。

それだけに、シリーズ構成のほうももうちょい何とかならんのかと思うのだ。