最近買った漫画

もっけ(9) <完> (アフタヌーンKC)

もっけ(9) <完> (アフタヌーンKC)

最終巻。御崎さんに話をもっていかれてしまって、瑞希の影が薄い薄い。ただ、そこがちょっと気になるくらいで、静流の物語としては見事に完成されたものとなりました。
前にもチョロッと書いたけど、現にもっけの類が見えることと、思春期の不安定な心理によって異形が見えること(そして真に見るべきものから目をそらすこと)とが物語上できれいに融合していて、正統派の成長物語というか克己の物語になっています。
もし静流が「みえなくなる」話があるとすれば、それは「乙女」でなくなる話だよなーと期待して、いや心配していたのですが、そこらへんも御崎さんとの絡みでした(絡みといってもそういうのではない、念のため)。
 
静流「貴女に何が分かるの!」
御崎「分かるよ。私には分かる。貴女の鏡だもの」(6巻p115)
を受けて、
御崎「アンタに私の何がわかる」
静流「分かるよ。御崎さんが言ったんじゃない、鏡だって」
と9巻ではこうくるわけですが、まーこのふたりは好対照というか見事な鏡面反転です。本人同士のみならず、静流のおじいちゃんに対する御崎さんのお祖母様も対照的で、このあたり非常にカッチリと物語が構成されているという印象。以前私は「こうなると完結はおじいちゃんが亡くなるときなのだろうか」などと書いたのですが(06年11月23日付)、そういうストーリーラインを踏まえつつ、予想を上回ってくれました。週末は1巻から読み返そうかしらん。
どうでもいいけど、主人公の苗字が「檜原」で最終回のタイトルが「ヒノデ」だからてっきり東京の西のほうが元ネタかと思っていたら、檜原村ではなく檜原神社が由来だと判明。つか「ひのはら」ではなく「ひばら」だったのか。これまでもどこかに読み仮名が振ってあったはずだけど、ずっと「ひのはら」だと思い込んでいた。
へうげもの(9) (モーニング KC)

へうげもの(9) (モーニング KC)

へうげもの」も「もっけ」と並んで早くも9巻。同じ隔号掲載でも月刊誌と週刊誌ではペースが全然違いますな(当たり前)。
こっちはこっちで中盤のクライマックスなもんだから、もうお腹いっぱいです。クライマックスというか、「第一部完」と言っていいくらいの千利休切腹の顛末。豊臣秀吉千利休、そして古田織部の、史実と創作とを交えた複雑な心情描写にとにかく圧倒されます。歴史上に燦然と名を輝かす秀吉と利休に対する、名を残してはいるけどふたりに比べたらマイナーな古織の立ち位置が実に巧妙。
神のみぞ知るセカイ 5 (少年サンデーコミックス)

神のみぞ知るセカイ 5 (少年サンデーコミックス)

「この巻で描いたことは、神のみぞ知るセカイというお話の最終回に繋がるような話だったのかも知れません…」とちょっと気になるあとがき。攻略対象はプロレスファンの教育実習生・長瀬純と、真紅な九条月夜。あー、真紅はいいねー。それと作品内ゲームのみの登場ですが、この作品の真のヒロインというべきよっきゅんもこの巻が初登場となります。気になる人はオビが付いてる今のうちに購入すること。
連載は現在ちょっと舵取りを変えてきているので、この後のけいおん♪編あたりまでが、いずれ「初期の基本フォーマットエピソード」と呼ばれたりするるのかもしれません。
神聖モテモテ王国[新装版]5 (少年サンデーコミックススペシャル)

神聖モテモテ王国[新装版]5 (少年サンデーコミックススペシャル)

マンネリ気味の部分があったりやっぱり面白かったりで、これなら全6巻そろえようかという気になる。それと、「第三世界の長井」が救い難くつまらないのは、まず単純にネームが長くてテンポが悪いというか、そもそも読み気になれないからだよなーとモテ王を読むと改めて思う。
恋愛大将にはぜひ「神のみぞ知るセカイ」にゲスト出演して欲しいものだ。
べるぜバブ 1 (ジャンプコミックス)

べるぜバブ 1 (ジャンプコミックス)

週刊少年ジャンプを最近ちょっと再評価しているのは、生え抜きだけで手駒をそろえていることだ。なんだかんだいっても、新人を育てるシステムがきちんと機能しているんだろうなと思う。比べてサンデーはなぁ。主線が描けない・コマが割れない・背景を描かない三重苦のド素人に連載与えちゃダメだろ……。ジャンプと違って10週打ち切りがないのに。
あ、「べるぜバブ」の話だっけ。そういう「ジャンプ」の土壌から芽を出した新人の初連載の初単行本です。この漫画、いまの連載分こそ少々パターン化されているけど、1、2話はとにかく予測不能ですごかった。シュール系の唐突な展開、ナンセンスギャグをつかみに使いつつ、話は整然とつながっているあたりに新人離れしたセンスを感じます。
トランスフォーマー スターゲート戦役 (ブレインナビ コミックス) (BN COMICS)

トランスフォーマー スターゲート戦役 (ブレインナビ コミックス) (BN COMICS)

義務感で購入したが、この薄さにこの紙質、オマケ要素はうれしくもなんともないリバーシブルのカバーだけで税別1571円はいくらなんでも高過ぎる。つーか、「戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマー」及び「THE MOVIE」の基本設定解説が無かったら成立しない漫画だと思うんだが。今さらあえて単行本にするなら、アメコミの「G1」とか「キスぷれ」とかの解説だって絡めないとダメだろ〜。漫画本編も面白くもなんともないので、義務感をおぼえる人以外には一切勧めない。