/機動戦士ガンダム00#22

クライマックスのはずなのに今ひとつ盛り上がらないのは、「ところでヴェーダってなんだっけ?」な気分があるからか。

第2期もいよいよ大詰めというクライマックス、本来ならば「ヴェーダ争奪戦」が物語の前景に描かれ、後景として「人類の革新をめぐる物語」が語られるべきはず。

だけどヴェーダって「なんかすごいコンピュータ」くらいの描写で、無いと困るし有れば便利だけど戦局を(事ここに至っては世界の運命を)左右するほどのものだったかなぁ? と思ってしまう。

そのため、クライマックスのはずのヴェーダ争奪戦が、毎度おなじみ大規模戦闘にしか見えず、一方で後景の位置に抑えるべきはずの人類の革新がどうのという話が悪目立ちしてしまった。

もちろん、ヴェーダが人類を革新へと導く鍵となる、というのは設定レベルでは理解できるんだけど、劇中ではやはり描写不足の気がします。

今回のポイントはもうひとつ、何の逡巡もなくいきなり主人公側の友軍になっているコーラサワー(笑)。いや真面目な話、元はコーラサワーよりはマトモそうだったグラハムが、しかしガンダム戦を重ねるうちにどんどん歪んでいき、そのうえ今回の敗北によって次に出てくるときは「勘違いするな、私はガンダムの味方になったわけではない」とか言い出しそうな、とにかく歪みまくりな生き恥キャラなのに比べて、なんとまぁ清清しく真っ直ぐなことか。

7度のガンダム戦を行い7度「敗れた」とは言わず「生き延びた」と捉える彼には、歪むような矜持も無かったということでしょうか(そういう言い方はどうか)。この、グラハムとコーラサワーの対照ももうちょっと明確に見せて欲しかった。