「バンブーブレード」銭湯シーンの謎と推理

第15話「初合宿と初銭湯」、私は起きていたから助かりましたが、6分遅れになったおかげで糞くだらないバラエティを録ってしまった&ラストが尻切れになった方に心よりお悔やみ申し上げます(まぁ今どきコアなアニオタは地上波デジタルに切替済、電子番組表の時間追従で失敗無く録れるのでしょうが)。
閑話休題、全編アニメオリジナル話だったにもかかわらず、実に「いつもどおり」の話をこなしていました。……って「アニメから入ったお前が言うな」と怒られそうですが、既刊単行本は全て揃えたのでご勘弁を。どうなることかと思っていた銭湯シーンも、ある意味予想どおりに、ある意味期待を裏切るもので、いやもう大笑いでした。
んで、フツーに感想を書いても面白くないので、他の誰もが見過ごすような1カットについてしつこくしつこく掘り下げたいと思います。

入浴シーンのうちの1カット、キャプチャできないのでウォークマンの画面をスキャンで取り込み。この浴室、よく見るとものすごく変なのです。一体何を資料に描いたのだろうかと思うほど。

正面外観からするとこの銭湯、「江戸東京たてもの園」の子宝湯(昨年は「仮面ライダー電王」に登場し、特オタにもおなじみ?)並に本格的な破風造なのですが、だとするとこの浴室、まず、
●天井が低過ぎる
銭湯の浴室の天井はたいがい非常に高く作られており、さらに張り上げ天井にしてその横に湯気を出す窓を設けるのが一般的。ペンキ絵の高さまでしか天井がないというのは、かなり不自然です。
まぁ「浴室の上に共同住宅を設けているため、浴室の天井がこの程度までしかない」という銭湯もあり得ないわけではありません。しかし、問題はそれだけではないのです。
●蛇口の列が多過ぎる
一見すると、左の壁際に1列、中央に向かい合わせで2列、右端男湯との壁の際に1列が設けられているように見えます。しかしよく見ると、まず壁があって、間が空いて1列あり、中央の2列があり、右側にもう1列あって間が空いて、壁となっているのです。となると、見えない左壁際に1列・向かい合わせ2列×3・右壁際に1列!!? どれだけ広いんだ、この浴室は。 壁際に蛇口が無く、向かい合わせ2列×3だとしても、それでも広過ぎる。
この浴室にはさらにもうひとつ、ビッグに不自然な点があります。
●窓が無い
左側の壁面に一切窓がありません。これははっきりいって「あり得ない」レベル。「窓はちゃんとあるのだが、シャワーの陰に隠れている」とも解釈できますが、だとしたらその窓はまた極端に位置が低く、小さいことになり、いずれにせよ不自然さはぬぐえません。
なんでこんなデタラメな絵になったのか? 推理のカギはやはり壁面です。左側壁面、窓が無い代わりに上端に細長く湯気抜き(というか換気口か)が設けられています。つまり、浴室として用いるためのそれなりの設備がちゃんと描かれているのです。となると、何も参照せずに描いたとは思えない。
天井が低い…異様に広い…窓が無い…だが換気口はある……。私はこれらの点から「浴室部分については、破風造の銭湯のそれではなくホテルかなにかの地下大浴場を資料にして描いた」ものと推理します。



普通に観ていればわすが1秒程度の1カット、誰にも気付かれずに見過ごされたでしょうから(銭湯マニアがペンキ画目当てでじっくり見た可能性は大ですが ←それは私だ)、私もあえて非難したりはしません。
いや、むしろ高く評価すべき点ではないでしょうか? 「手を抜いていいところには無駄にこだわらない」というのは、トータルなクオリティを維持するのに大切なことです。スタッフはそれがわかっている。だからこそ、「バンブーブレード」は高クオリティを維持できているのでしょう。
…などとヨイショで締めてみる。え? 誉め殺しじゃねぇかって?