勿怪ハンター

もっけ(7) (アフタヌーンKC)

もっけ(7) (アフタヌーンKC)

アニメ版は不安というレベルを超えて諦めしかないなぁ、始まる前から色々と。これで出来が良ければ拾い物と割り切って観てみよう。
閑話休題、7巻を購入。大長編としてみた場合、前巻がピークであり転換点であったために、やや停滞しているという印象を受ける。ただ、従来に比べておじいちゃんが影を薄くしているあたりに、姉妹それぞれの成長が感じられて面白い。
静流は視える力に悩み、またその力があるために人助けをしてしまう一方、瑞生にはもう「憑かれやすい」ことは悩みの第一ではない、という姉妹の差も気になるところ。
妖怪ハンター 地の巻 (SHUEISHA JUMP REMIX)

妖怪ハンター 地の巻 (SHUEISHA JUMP REMIX)

ネタ性を狙ったわけではないが、購入時期が重なってしまった(笑)。駅の売店で見かけてひょいと購入。まずは単純に面白いのだが、「これが描かれた時代にはまだ、過疎の村の奇祭に強烈なホラー的想像力が働く余地があったんだなあ」という感慨にもふけってしまう。擬似生命という中途半端にSF的アイデアが入り込んでいるあたりも、オカルトブームの時代ならではだろうか。
映画にもなった、東北の山中の集落に住む「かくれキリシタン」の物語「生命の木」、古祭を観光開発のために復活させたらてんやわんやの「闇の客人」、海竜を祀る小島の奇祭と平家伝説という妙な取り合わせがかっちり噛み合う「海竜祭の夜」あたりがお気に入り。
ほかに楳図かずお調の学園ホラー「赤い唇」、「黄泉がえり」(asin:410149004X)かゾンビ映画のような「死人がえり」など、意外にバリエーションゆたかだった。