東本昌平の『SS』が映画化だそうで

SS (1) (ビッグコミックス―Big comic superior)

『SS』は極めて完成度の高い作品だし個人的にも好きだけど、正直「なんで今さら？」感が否めない。
「現代の若い走り屋vsカムバックを果たしたかつて走り屋の中年」という物語の根幹は現代でも十分有効だろうし（「ロッキー・ザ・ファイナル」みたいな）、その構図が「最新スポーツカーvs幻の名車」と二重写しになっている、というのも、マァ今でも成り立ちはする。
でもなぁ。連載当時は「インプレッサとの熾烈な開発競争によってランエボは代を重ねるごとに高速化を果たしていた」という時代背景があったわけで、そのランエボをGr.Bスタリオンがやり込める、というのはハイテク頼みの急激な進化に対するアンチテーゼでもあったのよね（AYCだの、当時の三菱はとにかくハイテク好きだった）。いささか紋切り型だけど「ハイテクに頼る今どきの若者を、体育会系が純粋なパワーでやりこめる」というわかりやすい図式でもあった。でもこの図式、ランエボの進化の止まった現代では、果たしてどれくらい伝わるものか？
さらに言えば、当時はまだグループＢが伝説の輝きを保っていたからGr.Bスタリオンも主役たり得たけれど、今「あのグループＢのスタリオン」とか言ったって、それがどれほどの意味を持つやら……との疑問もある。
まぁ何にしても一度は観るつもり。フォードRS200は出るのかしらん？
スタリオンが出てくる映画というとこんな感じ。

キャノンボール2 [DVD]

「SS」のダイブツがジャッキーと呼ばれる元ネタですな。ところで、諸々の事情で参加をキャンセルしたサファリ仕様のレオーネRXが太田に現存するというけれど、それに搭乗する予定だった某有名人って、やっぱり『キャノンボール』1作目でレオーネに乗ってたこの人だよね？　スバルvs三菱の因縁はこんなところにも……。

ゴジラvsビオランテ [DVD]

ラストのしょぼしょぼしたカーチェイスがマイナス印象的。この頃のスタリオンはフルモデルチェンジ直前の旧型車で、同じ三菱のスポーツカーなら当時デビューしたばかりのエクリプスにしとけよと思ったものだ。