週刊少年ジャンプ#43

新連載『P2!』江尻立真
ヒロインのエロさは『ToLOVEる―とらぶる―』をすら上回ると思うのだがどうか。スパッツに腹チラとか露骨なカットもあるけど、それ以前に、なんというか――存在感が。ショタな主人公の総受っぷりも相当な高レベルだ。
などと腐りきった感想はさておいて。過去の江尻立真作品の評価は「ストーリーのちょっとしたひねり方などに『物語る意志』は感じられるが、読者に伝える技術に難があり、常に言葉足らず」といったところで、この新連載についても期待していなかった。
しかしこれが意外な拾い物。基本は、なんの取り柄もない駄目っ子があるスポーツと出会って変わっていく……という、スポーツ漫画の一典型を忠実になぞった話。だが、それを嫌味の無いカッチリとした人物造形によって読みがいのある話にまとめている。誌面での位置付けは『アイシールド21』の後継といったところか?
ただし、現状で「飛び道具」(作品を強烈に印象付ける特殊な設定、主人公の特技等)に欠けており、このままでは「やっぱこういう地味なのは駄目だね」と、現状のジャンプでは早々に打ち切られそうだ。かといって、主人公の一方がいきなり死んで幽霊で、その上いつまでたってもまともな練習や試合が始まらない……みたいな、とにかく飛び道具だけの漫画になっても、やっぱり打ち切られそう(続いても構わないが、私はきっと読まないだろう)。
冒頭に書いたような感想を抱く「特殊なファン層」が人気の下支えになる、という予想もできなくもないが……。「コア読者層にはウケない」と判断したなら後先考えずに打ち切るのが今のジャンプだからなぁ。
今後の動向は気になるし、場合によっては単行本も買うつもりだが、「これからもジャンプを毎週買い続けるか?」と問われれば、やはりNoと答えざるを得ない。