一億総○○化

気まぐれでとはいえライブドア関連の発言をしてしまった以上、他人のブログの関連発言も縦覧してみた。そのなかで私の興味を引いたのは「メディアとITの融合」発言に関連しての内容だった。
話は2年ほど前に遡る。『広告批評』誌主催の講習「広告学校」のひとコマで、電通ウェブ広告を担当している人たちの話を聞いた。彼らはウェブの特性をまるで理解しておらず、旧来のTVCM型の垂れ流し広告の延長でしか発想できない硬直っぷりを披露。「金返せ」な気分だったことを思い出す。そういえば、私はgoogleツールバーでポップアップを禁止しているので目にしないが、ポップアップ広告という愚劣な手法は今でも用いられているのだろうか?
だが、それがかえって良い刺激となり、私には「ネットの特性とは何か? 既存のメディアとの差異は何か? ぶっちゃけ10年後にも商売になる中間搾取のビジネスモデルは何か?」を考えてみる機会になった(←つーかもう、中間搾取とぶっちゃけてる時点でビジネス向けのアタマじゃないのだが)。
そのとき発想したのが『TVの普及による社会・文化の変化が「一億総白痴化」ならば、それに対してインターネットが進めているのは「一億総小賢化(こざかしか)」』というキーワードだ。
「白痴」と貶められるような、ただの単なる受け手ではなく、それなりの志向性をもって情報を捜し求め、選択する。そして、ときには掲示板やホームページによって自らを発信者とする。そこでユーザーは自らの「賢さ」を知り、従来のメディアでは得られなかった、高い自尊心を感じることができる。たとえそれらが、従来の社会での指標では「賢い」とは言い難い選択や発言であってもだ。これがすなわち小賢化である。
最近のブログブームを見るにつけ、この「一億総小賢化」という発想はなかなかのものだったな、と小賢しい私は思うのだ。